「この街で」

  新井満/文

  黒井健/絵

  PHP研究所  2006年



とてもとても素敵な歌です。


こんな風に思える故郷があればいいのになぁ・・・と思います。


本当は全文載せたいけれど、それはまずいので一部抜粋で。



この街で生まれ この街で育ち

この街で出会いました あなたと この街で


この街で 恋し、結ばれ、お母さんになりました。


この街で いつかおばあちゃんになりたい

おじいちゃんになったあなたと 歩いてゆきたい



こういった詩?に、黒井健さんの見事な景色の絵が添えてあります。


ただ文章を読むよりも、もっと深く鮮やかに、

よりリアルに響いてくるのです。



もともと、松山市で開催された「平和の日・松山の集い」にて

即興的に誕生した歌だそうです。


歌詞のもとは、松山市の「だから、ことば大募集」にて

市長賞を受賞した方の作品で、

「恋し、結婚し、母になったこの街で、おばあちゃんになりたい!」

という言葉をコンセプトにして作られたそうです。



こんな風に、自分のまちを愛せたらいいですねぇ。


ええ、私も地元が好きですが、

小さい頃から近くですが引越しを繰り返していた私は、

「生まれ育ち、ずっと過ごしていく」という感覚がなく、

この絵本を読んで、とても羨ましく感じます。


この詩の前半は、妻がよりそう夫に対しての言葉とうけとられますが、

最後には、夫から妻への言葉もちゃんとあるんですよ。



おばあちゃんになったあなたと歩いてゆきたい


いつまでも 好きなあなたと

歩いてゆきたい



夫婦で読むと素敵かもしれません。

もちろん、お子さんにだってよいと思いますよ。

地元の好きな子は特に。

うちの長女も、今のところ地元志向だし(笑)。



そうそう、この新井満さんは、

「千の風になって」という歌を作曲した方のようです。


この歌、昨年にすごいヒットしてましたね。

私は紅白で初めて知りました(すみません・・・)。



何回も何回も繰り返しめくりたくなるような、

そんな素敵な詩集絵本です。