「ぼくは あるいた まっすぐまっすぐ」

  マーガレット・ワイズ・ブラウン/作

  坪井郁美/文  林明子/絵

  ペンギン社   1984年



とてもリズムのいい、子ども目線の楽しい絵本です。



ある日、ぼくは、

おばあちゃんの家を目指して、

一人ででかけました。


花を摘み、

蝶の群に出会い、

野いちごを食べ、

小川を渡り、

丘を越え、

まっすぐまっすぐ歩いていきました。


すると、馬小屋や犬小屋や蜂の巣にぶつかります。


おばあちゃんのうちはどこだろう?



この「まっすぐ」という言葉がいいですね。


子どもたちもすぐに覚えて、

一緒に 「まっすぐ まっすぐ」 と言います。


大人のいわゆる「まっすぐ」ではありません。

子どもの見えている先が、「まっすぐ」なのです。


だから、道をたどっていたはずなのに、

花を見つけて、その方向を向くうちに、

まっすぐがいつのまにか「横道」になってしまっています。


けれども、子どもにとっては「まっすぐ」です。

ひたすらまっすぐ、冒険の道へ出発です。


うちでは、慣れてくると、

「そっちは違う(道)よ~」

「(小川で)えいやって飛べるよ、これくらい」

「蝶と蜂は怖いねぇ・・・」

などなどコメントを入れてきます。

すっかり冒険者です(笑)。


そして、ぼくと一緒に、馬や犬や蜂に「うわっ」と驚きます。


おばあちゃんのうちのケーキは美味しそう。

「ぱくっ、もぐもぐ」とお約束の食べる真似。

見返し部分の足跡も大好きです。



この絵本は、外国の町並みですよね。

林明子さんが絵を描いているけれど、

ワイズ・ブラウンが作者だから、それに合わせているのでしょうか?

とっても素敵な田舎道ですね。