そろそろ3年「鹿の王」の文庫化が待ち遠しい♡<女用心棒バルサと奏者エリン> | 読み散らかしてナレの果て

読み散らかしてナレの果て

ナレの果て戯言ブログです
覗きに来て下さってありがとうございます♪

<特報>
2017年6月17日 鹿の王 文庫発売決定!!
全4冊2ヶ月連続刊行予定!
詳しくはこちらへ!
http://amba.to/2rcQpbq


今週も雨または雪の予報がちらほら出ている冬真っ只中の2月如月(衣更着)ですね。
んにゃ~月日の経つのが早いです!
明日は節分。明後日は立春。
そして8日は旧暦の正月元日です♪
もう残り11ヶ月だよ~。


人気、売り上げがある本は単行本が出版されて3年ぐらいで文庫化されるんだとか。
私の好きな作家、上橋菜穂子さんの単行本「鹿の王」が発売されて、そろそろ3年になります。
今年あたり文庫が出るんじゃないか~、出て欲しいな~、出せ~!!
まっ文庫が出て即買いしても、積ん読書をしてる私の声は届かないだろうな・・・

即買い積ん読繋がりで、積ん読書をしていた小説を昨年の夏、クソ暑い中、久しぶり読んだ。
小説なんてそうそう読まないし、なんだか気になったので感想を書いてみた。
誰かに知らせる感想じゃないので放置してたけど「鹿の王」の文庫化が気になるので、掘り出して来ました。
駄文ですが読んでやって下さいませ。



買うだけ買って、積ん読だけ積ん読いて行方知れずになってしまった小説と涙の再会をし、熱い抱擁と頬刷りを交わして、たまらずページを開いてそのまま小説になだれ込んでしまった。

先に抱擁を交わしたのが出版年の新しい本、ああ~新しい方を先に読んじゃったよ~。
それがこれ。
「獣の奏者 外伝 刹那」上橋菜穂子 講談社文庫
 平成25年(’13)10月16日発行
(平成22年(’10)09月3日 講談社単行本発行)

ちなみにもう1冊はこれ。
「流れ行く者」守り人短編集」上橋菜穂子 新潮文庫
 平成25年(’13)8月1日発行
(平成20年(’08)4月 偕成社単行本発行)

なに~!今頃読んでるのか?!と既に読んだ人からはつっこまれそう。だって~行方知れずになってたんだもん。これでも初版を買ってるんですよ、文庫だけどね。


「刹那」も「流れ行く者」も昨年('14年ね)本屋大賞になった「鹿の王」の著者、上橋菜穂子さんの作品。
時間的には「流れ行く物 守り人短編集」の方が古く、「守り人」シリーズ全10タイトルの外伝。
もともとは児童文学ファンタジーとしての作品なんですが、新潮文庫から新装丁であらたに大人向けに刊行されています。
「刹那」これも児童文学「獣の奏者」4部作の外伝としての5冊目の作品で、講談社文庫から大人向けに文庫化されています。


両作品とも女性が主人公。
「獣の奏者」の主人公、少女エリンは母ひとり子ひとり。
その母を幼い時に目の前で処刑され、天涯孤独の身で住み慣れた地から放り出されるも、ひとり野に暮らす蜂飼いのジョウンと言う男に助けられ一緒に生活する事から始まる、エリンの物語。
その今は亡きエリン。
エリンが少女から女性になり、彼女の持つ特殊能力を利用しようとする者達によって翻弄される中で一人の男と出会う。お互い影響受け変わって行く様を、出会ってしまった男、イアルの語りで語られる秘話が「刹那」。
ってあらすじ書いて字数を稼ぐ読書感想文の常套手段です♡


ほんで「流れ行く者」。「守り人」シリーズの主人公、女用心棒バルサ。
とある小国の王宮と縁有る医師を父に持つ少女バルサ。王宮で起こった政変に巻き込まれた父は無二の親友である武人ジグロに愛娘バルサを託し、王宮からの刺客に殺されてしまう。執拗にバルサを追う王宮の刺客から逃れ流離う養父ジグロとバルサ。自国の追手から逃げつつも、機会を伺って自国に戻り父の無実と無念を晴らそうとする二人。
流離うなかで養父である武人ジグロから武術を体得し、己を守り生きる糧として女用心棒として生きるバルサとジグロの物語。
「流れ行く者」は、養父と共に女用心棒として生きる決意をする出来事と、後にお互いを相棒とする少年タンダとの出会いを描いた短編集。


今更あらすじですか?とおっしゃる方々、文筆力の無い人間がいきなり感想書いたら字数を稼げないじゃないですか!「面白かった」「楽しかった」「考えさせられた」これくらいしか感想として思い浮かんで来ないんだから・・・って誰に言ってるんだ??
ふう~ここまであらすじ書けば字数稼いだぜ。
あとはちょっと感想を書けばOK!だよね~♪って義務教育中の大嫌いな読書感想文のトラウマだな。


両作品の本編はヒロインが次第に強く逞しくなっていく主人公の英雄譚だと思って読んでました。しかしそれぞれの番外編2冊を読んだ感想は英雄譚ではなく、孤独を生きる女性の揺れ動く気持ちを色濃く感じる話だった。
出版されたのが新しい「刹那」を先に読んで感じた事は、「流れ行く者」よりも孤独感が深く濃く表現されてる様な気がするんだ。「流れ行く者」を先に読んでいたら気がつかなかったかもしれない。
作品ごとに主人公の孤独が色濃く感じるって事は、最新の本「鹿の王」はもっともっと孤独が深く濃くなっているのかな。


作品中の主人公が孤独だ~と思って読んでいたけど、そんな主人公を生み出してる作者はもっと孤独な世界や感覚や感情を知ってるって事だよね?
果てしない孤独を生み出す作者が、実は一番孤独なんじゃないかと。作中の主人公ふたりと作者、3人の女性の孤独を感じずにはいられない本2冊でした。


さて「鹿の王」の単行本が出版されてはや2年(もうすぐ3年)。そろそろ文庫化の話しが出て来てもいい頃なんだけどな~。