誰しも、長くも短くも、人生のどこかで
時間泥棒をされてることがあって、
それに気づかないことがある。

時間泥棒に付き合っていると、
自分の人生も然ることながら、実は
その相手の人生もダメにしてしまっている
ということなんだと、改めてわかった。

かつて、A子には無二の親友と思っていた
M子という存在がいた。
専門学校時代から、20年間ずっと
仲良くしていたつもりだった。

しかし、A子の性格はいつも自分を押し殺して
M子のペースに振り回されるばかり。
もうそのペースに慣れてしまっていた。
それが当たり前だと思っていた。

「M子は私にないものを持っている、
尊敬すべき人」といつもそう言い聞かせていた。

彼女が真実の泥棒の牙を剥いていく
事も知らずに。

M子はいつも気分次第で、突然連絡して来たり
相手の状況などお構いなしに、明け方まで
引っ張りまわして飲み歩いたりと
やりたい放題をしているので、当然、回りから
は人が去っていった。

それでも、A子とM子は
いわゆる「飲み仲間」として
しょっちゅういっしょにいた。

A子は、いずれ結婚して子どもができ、
時には子どもを預けてでも、
M子の都合に合わせて飲みに行ったりすることも
少なくはなかった。

M子はそんなことは、当然、お構いなしだ。
それに、だいたいが、A子はM子の聞き役。

そんなM子の、わがままで、身勝手で、
人の気持ちが全然わからない事に
気づきながらも、ずっと許していた。

M子は結婚はしていたものの、
子どもはいかなかった。

旦那は都心に、レストランやパブなど
数店舗を経営して、暮らしはかなり裕福だった。

また、M子自身もその中の一店舗を
任されていた。

M子が切り盛りしていた店はパブだった。
商売上、お店の従業員や、お客様から大事に
されるようなママ的存在だった。

M子がチヤホヤされているのは、
「お金のために、人がよっていている」
ということに、M子自身、残念がなら
気づくはずもなかった。

M子の下で働く優秀な従業員は、嫌気がさして
独立して店を出す人もいたぐらいだ。

もちろん、A子がM子の店に飲みに行くのが
あたりまえになり、そのお店の従業員や
来るお客も、M子の親友だからということで
かなり大事にされていた。

しかし、そんなA子にも、必然的に
M子に真実を伝えなければならない
タイミングが巡ってきた。

A子は、既に旦那とは別居状態あり、
生活は旦那からの仕送りがあったので
不自由はなかった。

しかし、子どもが高校生に進学する頃、
突然、旦那からの仕送りが途絶えた。

A子に、昼も夜もなく働く日々が始まった。
次第に、M子のお店から足が遠のいていったものの
行く回数が減っただけという感じだった。

M子にはいつも旦那以外に男がいた。
A子はいつもそれを黙認していた。

しかし、今は、
A子は高校生を女手一人で育てている
シングルマザー。

片や、M子は旦那に寄生しながら
お店を経営して、チヤホヤされ、
男を連れまわしてる、ろくでもない女。

A子はそんな自分の現実とのギャップに
M子のそんな姿を見るのが辛くなってきた。

男をころころ変えて、一喜一憂して
刹那的な日々を送っているM子を見かねて
M子の前で始めて、A子は激怒した。
M子の周りの従業員やお客の前で。

M子は逆切れして、A子を追い返し、
周りの人たちは、唖然として、何もできないまま。

それが、A子とM子の最後の瞬間だった。

M子の周りの人たちとも、
数年来仲良くしていたのに
この事件があってから、音沙汰なしだ。
もちろん、職を失いたくないから、
彼らはM子の肩を持つだろう。

それから、お互いの連絡が途絶えて
7年の月日が流れたある日のこと。

A子はずっと、M子を気にかけていた。
「元気にしているかな?」
「私、言いすぎたかな?」
「仲直りしたいなぁ」
「M子も私に会いたいってって思っている、きっと」

など、いつか仲直りができる。

そう、信じていた。

A子のもとに、「これからM子と会う」という
A子の専門学校時代の友達、S美から連絡があった。

もともと、S美は、M子とはそんなに
仲が良くなかったので、
A子はS美にこんなことをお願いした。

「M子の前でわざと、私と喧嘩した事件のことに触れてみて」と。

M子が今、A子のことをどう思っているかが、知りたかったのだ。

そして、
S美は、M子に実際に会った時に
頼まれた通りにした。

後日、S美からその事を聞かされた。

やはり、彼女は真実の泥棒だった。

M子がS美に言った内容はこうだ。

「あの時は、みんなの前で恥をかかせられて、
迷惑だったんだよ!
散々だったんだよ。A子、最悪だよ。」

ということだった。

A子は、これであの時の自分の行動が
間違っていたなんて思うことはないように
なったのは言うまでもない。

付き合っていた20年間の真相がここで
はっきりあからかになったのだ。



もちろん、これは、A子が早く気づいて、
切らないのが一番いけないと思うけど、
何よりも恐ろしいのが、どんどん
A子のような存在が、M子をある意味
支えていたのもあり、火に油を注いでいた
ようなものだったとも思います。


人生の中での「切っていく」という
本当の重要性を考えさせられました。

今回のeIsmプログラムから学んだことを
開花させるために、ますます、肝心の部分
与える、提供する、欲しがらない、自分を語らない
をただただ、実行するだけです。

本当に本当に
ありがとうございました。