前回からの続きです。)

3月末のスウェーデン渡航の直前、娘は3週間ほど入院する羽目になってしまいました。

 

娘は二分脊椎の影響で左足が変形しているため、通常では使わない箇所を踵代わりにして歩行してしまいます。それを少しでも防ぐため、1年ほど前から左足に装具を装着して生活しています。装具を用いる前は、靴の中敷を加工してもらっていたのですが、それだけではサポートしきれなくなってしまい、膝下まである装具に切り替えました。

 

にもかかわらず、昨年の年末、踵代わりになっていた左足の外側の側面に圧がかかりすぎていて、褥瘡(大きなタコのようになっていました)ができてしまい、そこから出血。娘は足先の感覚が弱く、痛みを感じなかったようです。褥瘡は思ったよりも厄介で、ひどくなると骨にも影響が出てしまうということで、かかりつけの総合病院の整形外科と形成外科の先生方が早速、色々と手を打ってくださいました。

 

まずは、装具の作り替え。褥瘡ができた部分に圧力がかからないような装具を新しく作っていただきました。

 

↑出来上がったばかりのときの装具。室内、屋外(この上に靴を履く)の両方で使用していました。

 

ただ、それで様子を見ても褥瘡はなかなか治らない。一方で、渡航日は刻一刻と近づいてくる。

 

何度か外来で診てもらった後、先生が一言。

 

「入院して徹底的に治さないとマジでやばい。」

(実際にこう仰ったわけではないですが、ニュアンスはこんな感じ。)

 

結果、その2日後には入院開始。

それからは、該当箇所に絶対に圧力をかけてはならないストイックな入院生活が始まってしまいました。

 

傷口の感染に対しては点滴で治療。病棟内の移動は専ら車椅子。娘は走り回るのが大好きなのに、いっきに、ガラガラと点滴を引きずりながら車椅子移動という不便な形でしか移動が許されない身になってしまい、親としては心が痛みました。

 

左足への圧力や刺激は一切厳禁。

娘の左足が少しでもどこかに当たっていようものなら、

「あ。当たってる!」

と看護師さんたちに指摘されるため、娘は最初はビクビク。その後は何とか、左足を浮かせて生活することに慣れていきました。(退院後1ヶ月経った今でも、右足のみで「ケンケン」して移動する生活です。)

 

今回の入院の目的は褥瘡を治すだけというもので、手術があるわけではないので、単調な入院生活でした。

1日2回の診察、点滴で抗生剤の投与。それ以外は患部を清潔に保ち、徹底的に左足に刺激を与えないように生活するのみ。

 

とはいえ、子どもの入院は、親にとっても大変です!

問題となったのは娘の入院時の付き添い。病院への寝泊まりは、夫と実母と私との3人交代制。息子もいるので、夫の父にも来てもらい、息子の世話をしてもらうことも。

 

そして何より、渡航の準備が全然進まない!現地に送るための荷物(家族の衣服)のパッキングや、持参すべきものの買い物が全くできないのもかなりハラハラしました。

 

そして、渡航2週間前にやっと、3週間の入院期間を終えることができた娘。車椅子(新しく購入)と、追加で作ってもらった新しい装具(これまでのものとは異なり、膝で支えるタイプ)と一緒に帰宅しました。

車椅子は念の為にと病院側から言われて購入したけれど、屋外では新しい装具で不便なく移動できるため、ほとんど使っていません。

 

なんとか褥瘡は治り、傷口も乾いているものの、その後も左足への「免圧」生活は必須でした。

 

ところが、スウェーデン渡航後約1ヶ月、再び褥瘡ができてしまいます・・・。