心と体の性別が一致せず学校生活に苦痛を感じている性同一性障害(GID)の児童・生徒について、少なくとも15都府県で、教育委員会が学校への相談を把握していることが毎日新聞の調査で分かった。埼玉県と鹿児島県の公立校が昨年度、本人の望む性別での登校を認めたが、悩みを抱える子は全国にいることが初めて明らかになり、学校や地域レベルにとどまらない対応が急がれる。

 ◇「専門的情報が必要」…46教委

 公立校を所管する都道府県と政令市の計66教委を対象に、今年度在籍する児童・生徒からの相談を把握しているかを尋ねた。把握していると答えたのは15都府県と3市教委。相談数は首都圏や近畿圏が多く、判明しただけで計24人。ただし2月に独自調査で十数人を確認した埼玉県が「数字が独り歩きしてはいけない」とするなど4教委が人数を明かさず、2教委は相談の有無も答えなかった。学校が教委に報告していない例や、教諭に打ち明けられない子もおり、今回分かったのはごく一部とみられる。

 学校で対応した内容としては、制服変更を認めた▽教職員トイレを利用させた▽更衣室を他の生徒と別にした▽本人が望む名前の使用を認めた、など。山形、高知両県教委は学校への本格的な調査を実施予定という。

 文部科学省は4月、学校現場に医療機関との連携などによる十分な配慮を、教委には学校への情報提供や指導・助言を求める通知を出した。しかし「どの診療科に相談すべきかさえ分からない」(名古屋市)、「専門医のいない地方で独自の対応は難しい」(高知県)など、46教委が専門的な情報の乏しさを指摘。国のガイドライン(33教委)や他校での対応例(31教委)を求める声も目立った。【五味香織】

 ◇解説…対応例集めて国が支援を

 専門医の間では、体の性別への違和感に苦しむ人は1000人に1人ともいわれる。男女別の制服や授業がある学校生活は特に悩みが深い。岡山大調査によると、GIDと診断された4人に1人が不登校になり、3人に2人が高校卒業までに自殺を考えていた。

 だが教育現場の問題意識は乏しい。勇気を出して学校に相談したのに、取り合ってもらえず登校できなくなった。そんな子は珍しくないが、実態把握さえ不十分だ。文科省はやっと重い腰を上げ通知を出したものの、現場の温度差は解消されていない。今回の調査では、人権に配慮し積極的に対応する教委があった一方、「ごく一部の事例に過ぎない」と軽視する声も聞かれた。「多くの教職員は多様な性のあり方を受け入れることに抵抗がある」と、いまだに偏見が根強いことを打ち明ける人権担当職員もいた。

 まずは学校や教委が実態を把握し、教職員のGIDへの知識を深めることが必要だ。文科省もさらに一歩踏み込み、具体例を集め対応のヒントを現場に提供するなどの支援に取り組むべきだ。学校の理解不足が子どもたちの学習の機会を奪ってはならない。【五味香織、丹野恒一】

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 7日午前11時20分ごろ、兵庫県川西市小花1のビル解体現場で、5階で作業をしていたパワーショベルが約16メートル下の1階に転落した。運転していた60歳代の男性作業員が間もなく死亡した。

 県警川西署の調べでは、作業員は阪急川西能勢口駅前の旧「ジャスコ川西店」の建物5階で、別のパワーショベルに乗っていた同僚1人と解体作業中。階段が撤去された場所から誤って転落したという。【衛藤達生】

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 自転車で追い抜きざまにジョギング中の男性をハンマーで殴打したとして、傷害罪に問われた職業不詳の男性(38)=大阪府茨木市=の判決で、大阪地裁(遠藤邦彦裁判長)は25日、「犯人であるかどうかの立証には合理的疑いが残る」として、無罪(求刑懲役2年)を言い渡した。
 この男性は2008年10月17日未明、同市内の路上で男性の後頭部を背後からハンマーで殴打し、全治1週間のけがを負わせたとして起訴。検察側は「被害者が『犯行直前にすれ違った男が犯人』と供述し、被告と特徴が一致している」と主張していた。
 遠藤裁判長は「目撃時の明るさやすれ違った場所が現場と約1.2キロ離れていることなど問題点がある」と指摘。犯人特定のために使われた顔写真について、警察官と被害者の証言が食い違っていることも取り上げ、「被告が犯人と認定する証拠の信用性を疑わしめる」と述べた。 

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