僕が18歳のときの話しです。

新しい学生生活がスタートした時期に偶然見た

テレビのアメリカ移民特番に影響されてしまい

どうしても、不法移民がアメリカに上陸して、はじめて泊まるホテルを

みたくなり、いろんな方に会い、情報を集めながら、

やっと見つけた、そのホテルに潜入したときの話しです

ホテルの前に到着すると、目の前に建っているのは、

いわゆる普通のホテルでした。看板は小さくて全然目立たないのですが

駅前にある日本のビジネスホテルのような外観ですね。

中に入ると、檻とガラスで覆われたフロントがあって、まずはチェックイン

宿泊費は、当時のレートで一泊1500円くらい

チェックインしたいというボクに、フロントにいるおじさんが、不思議そうに

僕を眺め、ID(身分証)を見せろというんですね

僕は少し躊躇しながら大学の学生カードを見せたところ、

学割がきくらしく一泊800円という価格までホテル代が安くなりました。

800円払うと、フロントのおじさんが僕に渡してくれたキーに書かれた

階にエレベーターで直行しました。エレベーターがその階に到着し、ドア

が開くと、僕の目の前に広がった風景は、全フロアーが木の板で仕切られた

小部屋(畳1枚半か2枚位)が並び、トイレとシャワーは共同といった、避難所

のような光景だったんです。

一瞬、帰ろうかな、キャンセルしょようかな、と思ったんですけど、左側から

一人のお爺さんが僕に声をかけててきたんです。

ここ初めてかい?ぼうやいくつ?なんて感じでフレンドリーなお爺さんとの会話

が、このホテル?の最初の出来事でした。

このお爺さん、聞くところによると、ココに長いこと滞在しているんだそうで、シャワー

の使い方やら何やらココに滞在するためのノウハウを僕に教えてくれたんですね

僕は、すっかりお爺さんと打ち解けてしまい、二人で話し込んでいると、一人、二人

とココに滞在している人たちが戻ってきて、お爺さんは彼らに僕を紹介してくれた

んですね。

このフロアに滞在している人は60人位なんですけど、何でも本物の日本国籍

とグリンカードとパスポートを持った人が泊まるのは、ここが開業してから初めて

なんだそうで不法移民じゃない僕のことが珍しかったらしく、他の階から人が

集まって来て、いつのまにか宴会が始まってしまったんです。

僕は、どんな人がいるんだろうって、ココに来るまで不安だったんですけど

僕のイメージとはかけはなれたフレンドリーな人たちで、其々自己紹介したり、

お酒が飲めない僕に、彼らが働いているレストランから持ってきたコーラを

僕にくれ乾杯したりと、話しがダンダンと盛り上がり、何年も付き合っている

友達同士のような打ち解けた雰囲気になっていったんです

ある一人の初老の男性が僕に、アメリカには何に乗ってきたんだいと

尋ねたんです。

僕は正直に飛行機で来たことを話すと、みんな驚いていました。

アメリカには、みなさん密輸船か国境を歩いたり走ったりして入国したそうで

飛行機で正々堂々と入国した僕は、雲の上の人なんだそうで、雲の上の人

という意味のウイザードというニックネームをいただき、みんなからウイザー

と呼ばれるようになったんです。

僕は、宴会が楽しくて、みんなと話すのが楽しくて、一晩の予定を変更し

三日ほど滞在したんですね

三日目の夜、チェックアウトした僕は、みんなと涙涙のお別れをしました。

大学は三日ほどお休みしましたけど、このブログでは書けないような

彼らの凄まじい体験を聞くことができ、大学では学ぶことのできない

貴重な体験をしたと思います。

彼らは、確かに不法移民ではありますが、それはあくまで移民法に

抵触しているだけのことであって、彼らの人格や人生を否定することは

誰にもできません。むしろ、安い労働力を提供しアメリカ経済に貢献

している彼らこそ、俺はアメリカ人なんだと胸を張っていえるんではない

かと僕は感じたんですね。

GOOD  LUCK