いつもだったら調査員は一週間程度で帰っていくけど、今回、最初の一週間はものすごく静かで、次の週に結構怒涛の質問が来た。
それで終わりかと思いきや、
もう一日来たいと言い出し、断るわけにもいかず結局来ることに。
そんなにうちの職場が心地いいか…?
わざわざでかい椅子を私の隣に置き、もう私は身動きが取れない。もう少しちっさい椅子持って来いよ…
質問の内容は私が事前に準備したファイルに入ってたことの内容が多く、何のためにこっちが事前準備してたかわからん。
あの二週間、本当に私が準備したものに目通したのだろうか。
斜め読みか…
その女から、あれを持ってこい、これを見せろ、と言われ、
私は彼女のでかい椅子と私の小さい椅子の間のギリギリを通って、彼女の要望するものを取りに行った。
取りにいったはいいけど、もう自分の椅子に入ることが不可能に近く、私はコーヒーを作りに行くことにした。
でも感心したのが、今や、仕事中でも、スマホを手の届く場所に置く人が多い中、この若い女はスマホを目に入る場所に置かなかった。
コーヒーを持って戻ってくると、さっきまで一生懸命ラップトップをカシャカシャ打ってたのになんか静か…
お待たせしてすいません。
終わったなら、ファイル戻しますが…
と後ろから言うと
今ママからメッセージが来て、tk maxx(衣料品、生活用品店)にいるからって、何かいるか聞かれてるの。
と一生懸命スマートウォッチで返信中…。
前言撤回っ…。
ってか、これだよ、普通一週間で終わるとこを二週間以上かけて調査してる理由…。
ママも娘の仕事中、tk maxxごときで連絡してくるなよ…。
無事返信が終わり、女は再度ラップトップに入力していく。
私は女の背後に立ちながら、無言でコーヒーを啜る。
この前の腰が低すぎる若い男も、現場の数をこなしていくうちに、この女のように
いい言い方で言えば、己を大切にするようになっていくのだろうか…。
5時ごろようやく、全ての作業が終わり、女は
今からおじいちゃんちで家族そろってディナーなの。
週末は、新しいアイフォンを彼氏と買いに行くの。
と言って席を立った。
……。
へぇ。
急いででかい椅子を片付け、6時までに通常業務を終わらせなきゃいけない私にそんな情報はいらない。