冥王星さそり座時代(1995年まで)。
日本は経済大国だ、とみずから言えるようになった時期。
史上最高の好景気、通称:バブル経済と、そんなバブル経済の崩壊は、この時代のできごと。
後から振り返ってみれば、現在までずっと続く。
『失われた30年』のはじまりの時期でもあるのだが、不景気が実感されるのは1997年からなので、この時点ではまだ、そのようなことは、まったく予感すらもされておらず。だから単純に言って、
「冥王星さそり座時代は、景気が良い時代。」
同じ時期に、国鉄分割民営化というのがあったのだが。
国鉄(現JR)が保有している都心の国有地(使われなくなった貨物ヤードなど)を民間資本に売却してビルでも建てれば大儲けできる、などという話が真顔で語られていた時代。
港区汐留(ゆりかもめ汐留駅界隈)や、都内ではないが、さいたま新都心(さいたまスーパーアリーナ周辺)は、街ぜんぶが、まるごとその方法で出現した。
街ひとつ出現させるくらいの広大なサイズの土地を国鉄は遊休地のままでいくつも保有していたなどとは、なかなか想像を絶する話だが。
さそり座時代のこの時期こそが、歴史上もっとも地価の高かった時代でもあるので、広大な土地を売却するにはベストタイミングだったとは言える。
時系列的にいうと。
1987年 国鉄民営化。
それと前後して都心一等地を含む大量の国有地が民間資本へと売却され。しかもそれはコネによる個別契約だったため、相場よりもお値段は大幅にお安く。
つまり、国有地を買い請けた民間資本とやらは、その土地を即座に売却するだけで大儲けできる、という異常な状態。
ようするに、国有地売却の話が耳に入ってきたら、その土地の使いみちも、購入のための資金調達も一切考えずに、とにかくまず土地を押さえてしまえば、それを売却するだけで利益が出る、という。
こんなあからさまな、賄賂よりも露骨な利益供与が許されていたとは驚きですが、現在からは想像もつかないほどの好景気であったため、腐敗した方法でだれかが利益を得ていても、それが咎められることはなかったようです。
国有地の売却には関与できない位置にいる人でも。ごくふつうの民有地でじゅうぶんなので、借金してでも土地を買い、それを即座に売却すれば、利益が出ました。だれにその土地を売れば良いのかというと、同じく「借金してでも土地を買ってくれる」人です。その人もまた、別の人に売却して利益を得ます―――。
このような方法論を「土地ころがし」と言い、あまりお上品な言葉ではないですが、経済史の用語集には、かならず載っているはずです。
「土地ころがし」にかぎらず。
買った瞬間、売却すれば儲かる、という商品は、株式や債券の世界にも存在していたようで。
転換社債やワラント債が、それです。
これらは、名前こそ「債券」ではあるものの、特定の条件のもとで株式(株券)と交換することができ。株と交換したなら、即座に株式市場で売却すれば、儲かる。
入手したら、即、売却。すると、儲かる。
こんな、1クリックするだけで利益が出る、などという到底信じられないような話が、詐欺ではなく、ほんとうに存在していたのです。
バブル経済って、ほんとうに、想像を絶する―――。
(※ただし、IT機器は当時は一切存在していないので、文字どおり自宅のパソコンで1クリック、などということはなく。なにをするにも、どこかへ直接出向いて、書類を作成するしかありませんでしたが。)
もう1個だけ「信じられない話」を付記すると。
当時の学生が就職活動で企業を訪問すると。交通費、などと称して、すぐに、お金が、もらえたそうです。しかも、万札で。それも、何社もまわれば、まわった数だけもらいまくることができるので、就職活動だけでも、大金を「稼ぐ」ことができて、初任給よりも高くなった、などという話もあります。
ちなみに、万札は、すでに福澤諭吉のデザインでした。
ただし、1代もまえの。
福澤諭吉の1万円札(初代)の登場は1984年なので、福澤先生の万券登場→さそり座時代に突入→国鉄民営化→バブル経済。という順ですね。
(※前回までの話につなげると、バブル経済下で、お金をもらいながら気軽に就職活動ができた世代が、バブル入社組で、冥王星おとめ座世代。その後につづく 冥王星てんびん座世代は、バブル崩壊後の就職氷河期世代です。)
株価の高さも、さることながら。
バブル経済のバブルとは、土地バブルのことです。
土地の値段が、まるでバブル(泡沫)のように、根拠のないあやふやなものになっていた経済、という意味ですね。
「土地ころがし」などという。
現代では(というか通常の経済下では)絶対にありえない方法論が、なぜか成立してしまうような「根拠なき暴騰」のことを、バブルというのです。
借金をしてでも土地を買い、買った土地を担保に、また借金。そしたらそのお金でまた、土地を買う。当時はゼロ金利ではないので、借金にはお利息がもりもり加算されてゆくのですが、それ以上の早さで土地の値段は上がってゆくから、じゅうぶん儲かる―――。
後から振り返ってみれば、
「土地ころがし」が、利益を生むシステムとして機能していたのは、せいぜい数年のことなのですが。
最終的には、土地の値段は、あまりにも高くなりすぎて。そこにビルを建てようとマンションを建てようと、そんな値段では全く釣り合わなくなってしまい、土地の売買に手を出せるのは、土地ころがしの関係者だけになりました。
ようするに、「転売すれば利益が出る」と信じられる人しか買えない値段になっていったのです。
そうして、1990年。
大蔵省(現財務省)の通達ひとつで、バブル経済は終わりました。
(※通称:総量規制。多重債務者問題での総量規制とは別もの)
バブルは、いつかかならず崩壊するものと相場は決まっていますが。それにしたって、日本の平成初期のあの有名な「バブル経済」は、大蔵省の指導によって終わった、などというコアな史実を知る人は、占星術関係者のなかに、どれくらい いるのでしょうか―――??
もはや、占星術ブログというより、
戦後史探訪、とでも呼んだほうがよいありさまですが。
なぜこんな記事を書いているのかというと。
わたしからすれば、物珍しいのですね。
「終わりなき日常」が定着してしまった、冥王星いて座時代のことしか、よく知らないので。近現代史の範囲内にありながら、よく見てみると、そこには想像を絶する世界があった、という話が、たのしい。
それに―――。
占星術師として長く活躍されるなら、知っておいて損はない知識だと思います。
冥王星紀(造語)で、ほんの2時代ぶんさかのぼるだけで、そこには、想像を絶するくらいに、現在とは違う世界があるのだということを―――。
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