高校生の2割強がネットトラブルを経験、慶大とデジタルアーツが調査
慶大とデジタルアーツが慶應義塾高校を対象に実施した調査で、22.4%が詐欺やグロテスクなデータに接触していたことが分かった。
[ITmedia]
2009年08月20日 12時11分 更新
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科とデジタルアーツは8月19日、高校生を対象に実施したインターネット利用のアンケート調査の結果を発表した。トラブルを回避するには、インターネットのリスクを学ぶ機会が重要だとしている。
調査は慶應義塾高校の1年生全生徒を対象に、情報科目の授業で6月に実施した。719人が回答している。
インターネット上でトラブルに遭遇した生徒は22.4%に上った。経験した内容は、「ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺」(50.3%)や「グロテスクな画像」(48.5%)が多く、「薬物や犯罪の情報」(16.0%)や「いやがらせ」(9.8%)、「大人からの勧誘」(9.8%)も目立った。
こうしたトラブルは操作スキルの高い生徒ほど経験しており、上級者では41.6%に上った。一方、初級者は12.4%だった。大人とインターネット利用について話し合う必要性については、上級者の半数以上が不要と回答。インターネット利用のルールについて、親と決めている生徒とそうではない生徒のトラブル遭遇の経験は、それぞれ3割強と差が小さかった。
PCや携帯電話の所有状況は、自分専用の端末を持つ生徒が携帯電話で96.1%、、PCでは25.7%だった。それぞれの利用について、親とルールを決めていないという回答が最多を占めた。トラブルを回避する方法を親から教わっていないという回答も、携帯電話で64.5%、PCで45.8%に上った。
アンケートを実施した授業では、ウイルス被害や情報漏えい、ネット犯罪、インターネットの安全利用などについて講義を行ったという。その結果、出会い系サイトやアダルトサイトといったトラブルが多いとされているサイトの危険性に加えて、掲示板サイトやSNS、ブログ、学校裏サイトなどに対する危険性の認知度も向上したという。
インターネット利用について両親や教師と話し合うことの重要さでは、「必要」との回答が授業前の61.3%から、授業後は75.2%へ高まった。
お見合いサイト:女性31人被害か 41歳被告を再逮捕
「お見合いサイト」などを通じて知り合った女性から現金をだまし取ったとして、福岡・東署は19日、住居不定、不動産建設会社役員、武田勝伸被告(41)=恐喝罪などで公判中=を詐欺容疑で再逮捕した。被害は全国27都道府県の女性31人、計2700万円にのぼるとみて調べている。
逮捕容疑は、07年10月~昨年4月、サイトで知り合った女性(当時39歳)に「母の借金を返したい」「自分の会社が倒産しそう」などとうそを言って、計3回にわたり現金計約155万円をだまし取ったとしている。「金は借りただけ」などと容疑を否認しているという。
同署によると、恐喝事件での逮捕後、武田容疑者の携帯電話を調べたところ、約1200人の女性の名前が登録されていた。武田容疑者は「約300人の女性と会った」と供述し、うち約100人と交際していたという。
さらにそのうち被害申告した9人の女性から03年1月~今年1月の間、「夫に不倫をばらすぞ」と言ったり、撮影した女性のわいせつな写真を「ばらまくぞ」などと言い、計約1700万円を脅し 取ったことなどが確認されたという。
取った金は借金の返済や女性との交際費に充てていたらしい。
出会い系サイト 軽々しさに危険がひそむ
大阪府茨木市のマンションで19歳の女性が監禁され、救出に駆けつけた警官が容疑者に刃物で切りつけられて負傷した。容疑者は「女性とは出会い系サイトで知り合った」と供述している。
千葉市で連れ去られた22歳の女性も沖縄県で保護された。容疑者とは一時同棲(どうせい)生活を送っていたとはいえ、この2人が知り合ったのもやはり出会い系サイトだったといわれる。
出会い系サイトがきっかけとなって起きた淫行(いんこう)、殺人などの凶悪犯罪は多数に上り、サイトの数についても実態は把握されていない。この種のサイトを利用する際には、常に危険性がつきまとっていることを承知し、慎重の上にも慎重を期したいものである。
それにしても昨今は、人と人の出会いがあまりにも軽々しいものになってしまったことに慨嘆を禁じ得ない。「会う」とはもちろん、人と人とが対面することだが、王朝時代には「男は女にあふ事をす…」(竹取物語)と示されるように、「男女が関係を結ぶ」「結婚する」の意もそなえていた。単に男女が対面するだけでなく、互いの愛を確かめ合うという実に重大な人間関係の上に成り立つ言葉だったのである。
情報伝達手段が発達し多様化した現代では、電話やネットによって人は互いに匿名で、生身の顔を見せ合うことなく、“仮面”をかぶったままでも「会う」ことが可能となった。初めて生身で会ったときには既に、相手を観察する用心深さも消えているから、まるで顔見知りであるかのような気安さを覚えたとしても、特に不思議な話ではなかろう。かつて流行したテレホンクラブも、そんな土壌に生えた毒草だった。
情報技術(IT)は健全に使われてこその利器であることを考えれば、私たち現代人にいま最も求められているのは真の情報リテラシー(活用能力)であることが分かる。それともう一点強調しておきたいのは、出会い系サイトに絡んだ犯罪では、当事者の善悪はともかくとして、体格・体力で不利になりがちな女性が被害者となるケースが圧倒的に多いという事実である。女性にはとくに自衛の心構えをもってもらいたい。
男女が「会う」のは「会いに会う(いちずの思いで会う)」ことが要諦(ようてい)である。けっして興味本位のものではないことを、最後に再確認しておきたい。