鑑賞バラは見事にデザインされた生きた造形

若い頃は赤や青のネオン街に癒しを求めて通っていたのに、今は青い空に赤い花の植物園が癒しの場とは・・・

最初の写真の赤のバラは“ローズ・オオサカ”といって、2006年に大阪で開催された「世界バラ会議」のシンボルローズ。2001年に世界的に有名な育種家 寺西菊雄氏作出のバラ。

右のバラは香がとてもよい、ダブルデライトというバラ。
ちなみにDouble Delightとはその名の通り「二重の喜び」。美しい花色と、強い芳香の両方を楽しませてくれます。
このようにバラは、色あい、形だけではなく、香りの楽しみもあり、ダブルデライトのようにフルーツ系の香りから、ティー系、スパイシー系の香りまで、香りの種類もたくさんあります。
またバラの種類は大きく分けて、このように花壇植えする“木立バラ”と、誘引して仕立てる“つるバラ”があります。

左の写真はつるバラをポール仕立てにしたもので、これはまた特別美しい仕立てのものです。
つるバラ仕立てはほかにも、皆さんがよくご存知のバラアーチと呼ばれる、アーチ仕立てのものと、バラのフェンスに仕立てる、スクリーン仕立てがあります。
これらを総称して鑑賞用ガーデンローズと呼ばれていますが、これら鑑賞バラは、かのナポレオン皇后ジェセフィーヌが、パリ郊外にあるマルメゾンの館に世界各地から集めた250種のバラを交配して、2500種類余りのバラを発表したのがその始まり。
また意外にもこれらの基(親)になった原種は、野バラやハマナス、野イバラなどの日本品種を含めたアジア生まれの野生バラです。

2年前に神戸で美術展があり、この絵を観ましたが、その繊細な細密画は写真以上に表現力があり、花が活き活きと描かれていて、感動しました。
ナポレオンと別れたあとも、ジョセフィーヌは生涯マルメゾンの館で暮らし、ナポレオンへの愛情を薔薇にささげていたそうです。

《以前にナポレオンの美術展の照明や、展示什器をデザインさせていただいたことがあります。このナポレオン展のお話しについては、また機会のあるとき数回に分けてお話しをさせていただくことにします。》