地味に究極★オズニス・スクエア~第三話 | ∵ イ ッ セ イ イ ズ ム ∴

地味に究極★オズニス・スクエア~第三話

ボールジョイント素材と作り方が決まって、次に機能と形状を具体化させてゆくのですが、ひずみのないサングラスをつくるにはもう一つの大事な条件“フィッティング調整”をクリアすることが必要でした。

いくらサングラス単体でひずみがないといっても、掛けた状態でフレームに負荷がかかって、レンズをひずませてはまったく意味がなく、掛けた状態で機能させるためには、使う人の顔に合わせたフィッティングが重要。

オークリーなどの海外モデルのサングラスは、レンズのカーブにあったフレーム形状で経年変化も少なくよくできているのですが、フィッティング調整を無視したつくりで、しかも欧米人向けに幅を狭く設計してあるため、顔幅の広い日本人が掛けるとフレームに負荷がかかり、レンズには相当なストレスがかかってしまいます。このことでレンズが設計通りの見え方でなくなり、ひどい場合は、見え方が気持ち悪く、掛けていて疲れるといったことになります。

フィッティング
「レンズに負担をかけないで、顔幅の広い人や耳の高さの違う人たちにもフィッティング調整できないだろうか?」

メガネやサングラスのフィッティング調整の際、フレーム(枠)と、テンプル(腕)の接点(智)を専用工具や温風器を使って、調整(曲げて)してゆくのですが、このとき、どうしても枠の部分も同時に曲がってしまい、レンズの溝が変形してレンズをひずませることになりますので、フィッティング調整してもフレームにまったく影響しない機構を考案する必要がありました。

「イッセイさん、智の部分にボールを使うことはできませんか?」

ひらめき電球、それはおもしろいアイデアですね!」

こうしてオズニス・スクエアのアイコンである“ボールジョイント”が条件として仲間入りしました。