英国の作家T=ハーディの代表作、ナスターシャ=キンスキー主演。美貌の少女にふりかかった悲劇が淡々と、なおかつドラマティックに描かれています。中学生の頃初めて見て、ずっとお気に入りの映画の一つです。当時は主人公にふりかかった悲劇性が実感することが出来ず、ただただ美しいシーンに見とれるばかりでした。。テスは貧しい農家の娘ですが、ダーバヴィル家という貴族の血を引いています。親族のダーバヴィル家を訪れ、アレクに見初められます。美しい薔薇の花を手折って、摘み取った苺のバスケットのなか、テスの帽子、胸元に薔薇の花をさしてゆく、そんな愛の手ほどきが子供心にもときめいた記憶があります。(このシーンは本当に美しくて今まで見た映画の中で最もお気に入りです★)

アレクとの関係を断ち切って実家に戻ったテスは彼の子を産み落とします。残念ながら赤ん坊は生後すぐに亡くなり、周囲の好奇の目に耐えられなくなった彼女は他の街へ移り住み、そこで牧師の息子クレアと恋に落ちる。クレアは彼女に求婚し、結婚しますがテスは自分の過去を告げることが出来ないまま花嫁になります。初夜の夜、クレアは以前年上の女性と関係していた事実を彼女に打ち明けテスは彼を許します。勇気を振り絞ってテスは過去を告白しますが、クレアは自分が愛していた女は君の形をした別人だどいって彼女を捨てます。

行き場のなくなったテスは男性に混じって過酷な労働の日々を送ります。そこにアレクがやってきて彼女と家族を助けようと説得する。テスはずっと拒み続けますが、父親の死をきっかけにアレクとの関係を戻し、彼の愛人になります。ずっと心の中ではクレアを思い続けたテス、何度も送った手紙には返事も来ないまま。。ある日突然クレアはテスを訪ねてきます。「もう遅すぎるわ」とクレアを拒絶するテス、泣き崩れている彼女にアレクは冷たい言葉を浴びせます。その瞬間彼女の心は壊れてしまったのでしょう!テスはアレクを刺し殺して、クレアを追います。ストーンヘンジの遺跡で警官に見つかるまで二人は逃亡を続け、テスは死刑になりストーリーは終わります。私がこの映画で最も辛いのは過去を告白したテスに対してクレアがとった態度。果たして彼はテスを愛していたのでしょうか?愛した女の過去をしって「君の形をした別人を愛していた」と言えるでしょうか?彼女を死に追いつめたのはクレアの冷たい仕打ちであると思えてなりません。この映画のなかでテスを心から愛していたのはアレクの方であったと私は思いました。