いつもの朝と、何も変わらないクラスのざわめき…


変わったのは、今まで見えなかったクラス全体が見渡せるようになった事…


一番遠くに、おいらにはもうどうする事も出来ない場所…


ざわめきをかき消すかのように、音をたてて教室のドアが開くと、彼女の姿が見えた…


いつもと違う景色に戸惑いを感じたのか、すぐには入って来なかった…


何を血迷ったのか、パシりがにやけながら大きな声を出す…


「なんで来んだよ~せっかく広く使えると思ってたのに~」


何故、そんな酷い事を笑いながら言えるんだろう…


それにつられて笑っているクラスメイト達が、おいらには理解出来なかった…


そして、一歩も教室に入る事なく彼女は走り去った…


どれだけ傷付いただろう…


どれだけ悔しかっただろう…


どれだけ涙を流しただろう…



その日以降、二度と彼女を見る事は無かった…


担任の話では転校した事になっていたけど、本当の事はクラスの誰も聞かされていない…




力になりたい…心を開いてあげたい…なんて思ったところで、所詮おいらみたいなちっぽけな人間には、どうする事も出来ない…


何にも出来なきゃ、単なる偽善者もいいとこ…他のみんなと何も変わらない…単なる普通の人…




普通って何だ?


集団の中に紛れ込んで何の意味がある?


他と同じなんて、居ても居なくても同じって事だろ?


おいらにはおいらのやり方がある!!


変わり者と言われようが、自分を貫いてみせる!!





そうする事でしか、天国にいる彼女に償う事が出来ないから…




…終わり