友人の話
父親を亡くされ、母親との二人暮らしとなった。
いつものように、ではないが
近親者が集まり供養も含め
年越しをおこなった。
と言っても
自宅で食事会をして思い出話をし、夕方にはみんな帰っていった。
友人は
疲れもあり、また次の日仕事も控えていたため
同じくすっかり疲れてしまった母親を寝かせると
大晦日だろうがそれがどしたと言わんばかりに早々に布団に入った。
友人は左向きになって寝るのが一番グッスリ眠れるため、
この夜も左側を向いて横になっていた。
ふっと目が覚めた。
体は左側を向いている。
ん?なんで目が覚めた?
理由はすぐにわかった。
背中側(つまり右側)の掛け布団が引っ張られているからだ。
何かに引っ掛かっているのではない。
ピンピン
ピン
ピン
と、
引っ張られる感触がある。
体が強張る。
ピンピン
ピン
ピン
明らかな意思を感じる。
思いきって振り向いて確認したいが怖くて出来ない!
と、外から除雪車の音が聞こえてきた。
すると布団の引っ張る感じが
すぅーっと消え
友人は体を動かすことが出来るようになった。
亡くなったお父さんが年越しに来たのかなぁ。
友人は思ったのだそうだ。