西暦2XXX年。


日本の高齢化はますます進み



逆に出生率は著しく下がった。






当然、年金や医療費負担は膨れ上がり



どうにもならない状態となった。








最初は、ある地域でひっそりと行われ始めた。





それは『姥捨て山』である。







しかしそれは

『捨てるほう』も
『捨てられるほう』も






涙にくれて
やむにやまれぬ思いで仕方なしに、だった。






しかしそんなことは言っていられないのが実情だった。





やがてそれは静かに、しかし確実に広がっていった。







国も気づき始めていたが、見て見ぬふりだった。







それで世の中が成り立ち始めていたからだ。









そしてそれなら、と







国が表向きには出来ない
『姥捨て山』を始めた。






使われなくなった施設を利用して

決められた年齢になった人々を集め、






『安楽死』させていったのだ。










『送り出す者達』も
『送り出される者達』も





生活面金銭面での安定や

苦しまずにこの世から去ることで
残された者たちが安定を約束される。







お互い引け目を感じずに済むようになっていった。






それでも
残された者達はどこかで罪悪感を感じ
心を病んだり
覇気がなくなっていった。






人口も減っていく。







また密かに国が動いた。


『送り出される者達』の
クローンを


人工受精などの技術を用いて
『送り出す者達』
に移殖し、産み育てるのである。







それにより
『送り出される者達』は



自分が居なくなっても
また新しく命が繋がれることに安堵し



『送り出す者達』は



新しい生命を育てることに生き甲斐を見いだし、それにより罪悪感を乗り超えていけた。







出生率も上がり
人口の推移も変わっていった。



そしてそれは
『口外しないこと』でより保持され確実なものになっていった。






「おじいちゃーん、何してるのぉ?」


幼い女の子が
ソファーに座ってぼんやりテレビを見ている老人に駆け寄ってきた。


この老人の孫なのであろう。



老人はヨイショと孫を自分の膝に乗せた。




「テレビを見ていたんだよ。」




「ふ~ん。」


「お父さん、お茶飲むでしょ。」


同居している娘夫婦がお茶を持ってきた。


「ありがとう。」


老人は湯飲みを持ち熱い茶をすすった。





娘がテレビに目をやると



一昔前に行われていた


国が主体の「人口増加安定策」の特集をしていた。








国が隠しながら行っていた政策は


みんなが見て見ぬふりをしながら行われ


人口は理想的な安定を迎え




若者が老人を支えていける十分な体制になっていった。







それとともに


あからさまな批判ではなかったが

体制を考え直そうという
流れになっていき





徐々にすたれ




国にとって都合のいいような部分だけが取り上げられ




都合のいい名前にかえられていった。






そのため今のほとんどの国民は本当のことを知らない。






「あら、今日がその日だったのね。」






「それがあったから、今の落ち着いた社会になったんだな。」






「ありがたいわね。」











真実を隠された



怖い、しかし穏やかな日常がすぎていく。









終わり メモ




何年かぶりに、思い付いた怖い話でしたビックリマーク



あなたがお好きなのは
どのパターンでしたか!?






長い話にお付き合いいただき
ありがとうございました メモ