それは奇妙な生活だったビックリマーク








妻も子供も身寄りもいない老人と


いかにもワルそうな少女










出会いはこうだ!!




老人が買い物をするため商店街を歩き裏道に入ったところ



ごみ捨て場にうずくまっている少女を見かけたのだ








人を射るように見る少女
老人は何のてらいもなく話しかけ家に来て休むように勧めた








お金もなく身も心も荒んでいた少女はなげやりな様子で老人についていった




どうせこの男も当たり前のように体が目当てなんだろう・・・










だが老人は違った




少女の着替えは勿論
食事
掃除
洗濯なんでもやってくれた




いつもやさしく少女に接し
少女が反抗的な態度をとっても一切気にすることなくいつも同じように接していた









日々経つうち、堅くなだった少女の態度が変わっていった



笑うようになり、話すようになり、老人に心を開くようになった





人を毛嫌いすることなく共に過ごす楽しさを、喜びを知るようになった

人に何かをすることの大切さ、されることの有り難みを知った






あんなに人を射るように挑むような見かたしか出来なかった少女が


柔らかく優しく女性らしくなった









当然そんな暮らしを色眼鏡で見る者もいたが、老人は気にすることなかった







老人と少女は
お互いの身の上話等もポツポツするようになり、涙を流しあうこともあった









ある日




慌ただしく老人の家に警察がやって来ていた




老人と少女の死体が発見された




少女は絞殺体



老人は首を吊っての自殺体で・・・








老人は若かりし昔、妻と子供を殺された




身寄りがなく独りとなった男は復讐すべく犯人の動向を追っていた



犯人がたった数年の刑期で出てきたのが許せなかったのだ






犯人は罪滅ぼしは終わったとばかりに生活を謳歌していた


なにごともなかったように過ごし、恋愛し、結婚し、子供をもうけた


許せなかった



犯人はやはりまともな性格ではなかった

家族を邪険にし、子供を可愛がらず
ほどなくその家庭は崩壊した


犯人の子供はスッカリぐれていた

家を飛び出し放浪しワルい仲間と行動を共にし心をなくしていった







犯人の男は身体を壊しアッサリ死んでいた








好き勝手やって死んでいったのだ






男は老人になっても、ずっと犯人をその家族を見てきた





人を殺し平気で生きている犯人も
アッサリ死んでいった犯人も

その家族も許せなかった

折角生まれてきたのにワルい道に入って平気で生きている犯人の娘も許せなかった





犯人が死んだ今、復讐すべき相手はその娘である少女だった







私の妻と子供は生きたかったのに、生きられたのにお前の親に殺されたビックリマーク

なのにお前はイヤイヤ生きているビックリマーク






だが、ただ殺してしまうのでは復讐にならない



生きてることの喜び、嬉しさ、楽しさを知ってから死ねばいいんだ










老人はぼろぼろになった少女になに食わぬ顔で手を差しのばした


少女に優しくし少女の心を開き、生きることの喜び、嬉しさ、楽しさを教えた






少女は生きることの喜び、嬉しさ、楽しさを知った

生きたい、そう前向きになった










復讐の時は来た




老人は少女に全て話して聞かせた






少女はうろたえ、驚き、泣き、懇願し、絶望し息絶えた










老人の長年の復讐は終わった







だがどうしてだろう




何もかも終わったのに




老人には嬉しさ、喜びよりも




寂しさ、虚しさの方が大きかった








犯人にされたことを、その子供に同じように味あわせてやることができた



だがこれで良かったのだろうか


これで殺された妻と子供は喜んでくれるのだろうか




今殺してしまったこの少女のやっと立ち直ったこの少女の未来を



自分が潰してしまった








犯人と同じことをしてしまった






わたしが犯人になってしまったんだ







望んでいたはずなのに・・・










老人は首を吊ったのだった











そんな事情など知るよしもなく








この事件は

痴情のもつれによる無理心中として処理された






加害者の娘である少女は被害者となった




被害者の親であった老人は加害者となった









二人は身寄りがなく無縁仏として葬られた









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