チッ![]()
「ほらまたぁ~ 気をつけてって言ってるでしょう
」
あ
ああごめん、またやってたか
俺は居心地悪さを誤魔化すために盆の窪をゴシゴシ掻いた
どうも俺には『舌打ち』の悪いクセがあるらしい ![]()
いや、らしい じゃないな
あるんだ![]()
別に腹を立てていたり
機嫌が悪い時だけではなく
いつでもなんの気なしにやってしまっている![]()
妻にいつも
「なんの気なしに、って言われても聞かされる身になってよね![]()
なんか機嫌が悪いのかしら![]()
私が何かやったのかしら
ってビクビクしちゃうのよ![]()
私だけじゃなく他の人にも
聞こえ悪いでしょ![]()
一緒に出かけていてあなたが舌打ちするたびに
近くの人がチラ見するのよぉ
もうマジでいやなんだからね
」
わかってるよ
ごめん、て![]()
妻に言われるたび
気をつけてはいるのだが
やはり長年のクセはそう簡単に直るわけなく![]()
チッ![]()
舌打ちしてしまっている![]()
「もう
また
いい加減にしてよ
」
妻がいつになく怒り黄色い声を張り上げた
ずいぶん機嫌が悪いな何かあったのか… ![]()
そう思うくらいだ
チッ![]()
あ、しまった![]()
「あなた私をバカにしてるでしょ![]()
ふざけるな![]()
」
妻が俺に物を投げつけた
痛っ![]()
物が床に落ちその衝撃で割れ、その破片が俺の頬をかすったのだ
それは皿だった
おい![]()
何するんだ![]()
お前こそいい加減にしろよ![]()
だが妻はますます逆上した
「何がいい加減にしろよ、よ![]()
元はと言えばあんたが悪いんじゃないの![]()
こんだけ言われて直らないあんたがろくでなしなだけじゃないのさ![]()
私のこと偉そうにいうんじゃねぇよ
」
俺はムカッときた![]()
たかが舌打ちくらいでここまで言われなきゃならないのか![]()
「たかが
何とぼけたこと言ってんのさ、バッカじゃないのぉ
」
俺はカッとなり思わず殴っていた
妻はギャッ![]()
と声にならない声を上げ、壁にスッ飛び
壁にある戸棚の角にぶつかると
カエルが潰れたような変な声を出し
そのまま動かなくなった![]()
俺は焦って走りより、妻を抱き起こしたが
何の知識を持たない俺でも
妻がコト切れているのがわかった![]()
しまった![]()
どうしよう……![]()
俺は犯罪者になっちまうじゃないか
なんとかしなけりゃならねぇな![]()
面倒くせぇ
チッ![]()