祖母が亡くなりました ![]()
私の両親は共働きだったので
私は祖母に育てられたようなものでした
もちろん両親のことも大好きでしたが
いつも祖母にくっついていた憶えがあります
ただ成長と共にだんだんと
祖母といるより友達といるほうが楽しく
家にいるより外に出るほうが楽しく面白くなってきました![]()
これはみんなが経験することだと思いますが
ご多聞にもれず、私もそうで
高校生になるころには全く行かなくなりました![]()
両親が
「おばあちゃん会いたがっていたよ。」
「たまには顔をだしておいで。」
そう言っても
生返事するだけで行きませんでした![]()
そんな私が祖母に会ったのは
私が仕事を辞めて実家に戻った時でした![]()
私は上司と不倫関係になり妊娠
しかし彼は奥さんとは別れる気が全くなく
奥さんにもばれ会社にも噂が広まり
中絶し、会社に居られなくなり辞めたのです ![]()
両親には本当のことが言えなくて
会社が合わなかった
としか言えませんでした![]()
しかし、何年かぶりに祖母に会った途端
押さえていた感情が溢れ出し
祖母に泣きながら全て話しました
年老いてすつかり小さくなった祖母は
「いいんだよ、大丈夫だよ」
そう言いながらしっかり抱き締めてくれました![]()
私は小さい頃に戻ったように
祖母にいつまでもしがみついて泣きじゃくっていました![]()
その時祖母が
一つのこけしを渡してくれました![]()
これは祖母が大切にしていたもので
私がどんなにねだっても決して触らせてくれなかったものでした![]()
祖母なりの優しさだと思い有り難く受け取り
自分の部屋に飾っていました
やさしげな、でもどこか寂しげに見えるこけしを見ていると
なんとなく気持ちがおさまるようでした ![]()
祖母が亡くなりました![]()
慌ただしく葬儀が済み
祖母は小さな箱に骨だけになっておさまってしまいました ![]()
私は一人仏壇の前でこけしを抱いて座っていました
あっけなく祖母が死に、涙も出ません
我ながら薄情な孫だと呆れましたが泣けません
気持ちが空っぽな状態でした
思わずこけしをギュッと握り締めてしまったのです
パキッと音がして
こけしが割れてしまいました![]()
あわてて見ると
中に油紙が出てきました
油紙の中には薄く細い髪の毛が一筋入っていました![]()
一説によるとこけしは
「子消し」とも書き
貧しく栄養状態が悪かった昔の時代
お腹の中で死んでしまったり
折角生まれても
なかなか育たず
育っても病気になり
幼くして死んでいった子供への
供養として作られたそうです![]()
そして
こけしを作るとき
その中に、死んだ子の遺骨や遺髪
生まれる前に死んでいった子には名前を書いた紙を入れて作り
ひっそりと祀ったそうです![]()
祖母も辛い時を過ごしてきたのです
それがわかった瞬間
私はわんわん泣きました![]()
割れたこけしを抱き締めて
でも
私を抱き締めてくれた祖母はもういません ![]()