この噂を決定的にすることが起きた!!











ある夜一人の者のところにメッセージが届けられた






『あなたが選ばれました、今夜お迎えに参ります』




シェルター内は色めきたった










夜の街 いつもは開くはずのない壁が仰々しく開き







フカフカなソファーが現れた





選ばれた者がおずおずとそのソファーに腰掛けると






ソファーはゆっくりと動きだし




また今来た道をゆっくりと戻っていき




壁は何事もなかったかのように静かに閉じられた











感嘆の声をあげていた人々の声が

悲しみに変わり

あわてて壁を探ったりまさぐったりしたが






壁は、なにか?といわんばかりにびくともせず

壁のままだった










壁の中に消えていった『選ばれた者』は
恍惚とした表情だったため


ますます『タワーユートピア説』は信憑性を増した










それからも度々メッセージが届いては


一人、また一人と壁の中に消えていった









またある日一人の者が選ばれた



ずっと体の具合が悪かったので、その者は心から喜んだ








夜の街になり人々の羨望の眼差しを受けながら
その者はソファーにもたれかかり壁の中に入っていった








なんという気持ち良さだろう…
いつも簡易ベッドの硬い薄いマットレスだから

体が痛くてたまらなかったがこれからはその心配もないんだ…








ソファーはゆっくり下へと進んでいく





あれ?タワーの上に行くのかと思ったが、下?
地下にユートピアがあるのか?










ソファーは下に行くにつれ加速し勢い良く下っていく



地下のためか薄暗く寒くなっていった









だんだん不安になっていく






『ユートピアに行くんだよな?』



『ユートピアなんだよな?』









だが、誰一人それを確かめた者などいないではないか?


確かめたくても先に行った者に会った人は居らず



先に行った者から何にも情報などなかったではないか





ユートピアだと勝手に思い込んでいるのは、我々だったのだ











不安が恐怖に変わる頃、ソファーの動きが緩やかになり





止まった










そこは物々しく分厚いドアの前だった











『オツカレサマデシタ』









無機質な機械音声がすると



ドアが嫌な音をしながらゆっくり開くと










そのままソファーは中に消えていった












ー2XXX年、核による争いがあった







それにより体に異常をきたす者が出ていた











国家同士 政府同士密かに結束し


それを隠蔽するため





核による障害がひどい者は










人知れず処分されたという










記録も文書もないため定かではないー