何もかもが絶望の世の中になってしまった











その中で人々はユートピアを求め、信じ、夢描いた





それが心の拠り所になった










ある噂が流れた






選ばれた者だけが、そのユートピアに行ける、と。




そこに行くとあらゆる絶望、不安、失望から解き放たれ



幸福感、安心感、安堵感に包まれ


何の心配もなく生涯過ごせる



という噂だった











今人々は肩を寄せ合い大きなシェルターのようなところで暮らしていた





核をぶつけあった身勝手な争いがもたらした当たり前といえば当たり前の結果だった




そして、辛い悲しい思いをするのも一般の民、それも当たり前だった




核の影響で死んだり、体調を崩したり、病気になる者もいたが






国同士がお互いのせいにし、あとは知らんぷりだった




これもまた当たり前のことだった








そのため人々はますますユートピアを夢見、憧れ、羨望するのだった











シェルターの横には立派なタワーのようなものがあり

そこから生活に必要な物が与えられていたのだが


そこから誰がどうやって行なっているのかは








誰一人知るものはなかった









だが人々は囁き合っていた










『あそこにユートピアがある』








ビックリマーク











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