すっかり夜更けなので
ハッキリとその人のナリはわからないが
フードのついた大きなマントを着
そのフードを目深に被った男、のように見えた
黙って缶を拾うのも気が咎めるので
「釣れますか
」
そう言いながら、何気なく缶を拾おうとした
だが男は、俺の問い掛けに顔を振り向いて
(フードを被っているので
実際には顔は見えなかったが
動きで振り向いたのはわかった)
『ま だ』
と答えた
と同時に、足を動かしでもしたのか
缶はコロコロと
隣にいる男(と思われる)の足元へと転がっていってしまった
俺は慌てて隣に移動し
また同じセリフを繰り返しながら、缶を拾おうとした
すると、男の竿が大きくしなり
男は急いで竿を操った
川面から釣れたものが見えた
何だか黒くて大きなものがジタバタ藻掻いているようだった
魚![]()
にしては大きく、動きもおかしい…
もう少しで姿が見える![]()
と、いうところで
プチン![]()
と糸が切れ、その姿は瞬く間に見えなくなった
男は
『逃 げ ら れ た 』
と悔しそうに呟き歯噛みした
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