10代の頃から若白髪がありました。あまり気にしていなかったし、仕事では老けて見える方が「若造が」と舐められずに便利でした。転機は、子供が幼稚園に通い始めたこと。老けたパパじゃ子供達に申し訳なく、白髪染めを始めました。
早期退職を機に、白髪染めを止めようと考えていましたが、デイサービスで働き始めたことで状況が変わりました。平均余命は男性の方が短く、また、男性はデイサービスの類に行くことを嫌がる人が多い。結果として、デイサービスは8, 9割形が女性です。こんなジジイでも、高齢者の女性から見れば「お兄さん」なんですよね。
「足が痛くて歩きにくいの」なんていう利用者に腕を貸すと、「あら嬉しい、体重かけちゃってもいい?」なんて喜んで腕にしがみついてくる。お迎えに行くと「イケメン来た♪」と喜ぶ利用者は、他の利用者の顔が区別できないほど目が悪いのに、僕だけは覚えてくれる(どやって?w)。痴呆症を振り切るところまで振り切った利用者は、あまり人の話すことを理解できないけれど、僕がマスクを取ってにっこり微笑むと喜んで車へ乗ってくれる。
まさかこの歳になってまでルッキズムに左右されるなんて思いもしなかったけれど、この仕事を続ける限り少しでも若いふりをした方が仕事がやりやすい。当分、白髪染めを止めることができなくなりました。
【余談1】
世界で最も安いスポーツカーであるマツダ・ロードスター。安いと言っても初代NAが200万円以下だったのに対し、NDは300万円を超える。必然的に購入者の年齢層は高め。その結果、帽子を被って(頭頂を隠して)運転している人がちらほら。僕の身長では頭髪が走行風に晒されるので、購入当初は帽子を検討しましたが、結論は髪を靡かせて走る。w
【余談2】
滅多にないものの、早期退職以前の夢をたまに見ることがあります。そして、退職以前のことを思い出すと頭に浮かぶ曲がこれ。
馬鹿馬鹿しい世界だ。今は利用者の利便性だけ考えればよく、自分が世の中をコントロールする必要などない。気楽な世界だ。