ロバート・アンソン・ハインライン先生は、旧ソビエト連邦を訪れた時のことを短編集「Expanded Universe」に記しています。残念ながら、この本は邦訳されていませんが、Amazon等でペーパーバックを購入して読むことができます。

この本に収められた2つの短編小説を読むと、冷戦は過去の話になったはずなのに、プーチン大統領が時計の針を戻したことを理解できると思います。

 

ロバート・アンソン・ハインラインのExpanded Universe

 

  • Pravda Means Truth
    「Pravda」は「真実」を意味する。辞書によればそうだ。1960年のメイ・デイに、米国のU2偵察機がソビエト連邦内に着陸した。 これは事実であり、"pravda"でもある。 だが真実と"pravda"は異なる。
  • Inside Intourist
    ソビエト連邦を訪問することは、パラシュート・ジャンプを初めて体験してパラシュートが開かなかった時に似ている。 ソビエト連邦の雰囲気は、自身の頭をハンマーで殴りつける人のようであり、何故なら彼がそれを止めてくれた方が気分がマシだからである。

 

僕が過ごした青少年期は、第三次世界大戦で世界が滅ぶ恐怖と共に生きた時代。映画にもなった「ザ・デイ・アフター」に描かれた恐怖は、体にまとわりつくように常に側にありました。しかし、旧ソ連のゴルバチョフ書記長が冷戦を終結し、世界に平和が訪れた。恐怖の大王は消え去った!
そう思っていたのに、プーチンが支配するロシアはソ連時代と違いがない。プーチンとその一味は、あからさまな嘘を息を吐くように撒き散らす。プーチンとその一味に都合良い事実が「プラウダ」であり、「真実」とは限らない。
 
「正義の反対は、『悪』ではなく『相手側の正義』」。そう考えるよう努めて生きてきましたが、何事にも限度というものがある。ロシアにしろ北朝鮮にしろ中華人民共和国にしろ、独裁国家は何をしようが変わらない。独裁体制が存続する限り、支配階級の利益以外は何も省みない。そして、彼ら彼女らは常に罠を張り巡らせる。ノルド・ストリームに支配されたドイツのように。サハリン2で大損することがなんだ。小麦や電気、ガス代が値上がりすることがどうしたと言うのだ。そんなことのために戦争犯罪を見過ごして良いわけがないし、ましてやウニやタラバガニを食べることが人の命より大切なわけがない。独裁政党がレアアースで日本を屈服させようとしたことを忘れてはいけない。