関東には、老舗の伝統と名前を継ぐ蕎麦屋さんが数多くある。砂場、薮、更科、一茶庵、長寿庵。その他、暖簾分けの増田屋、横須賀周辺に限れば寿徳庵。数ある系統の中で、関東のどこへ行っても見かけるのは長寿庵じゃなかろうか。
今日の外回り先は、千葉の八幡宿駅の近く。長寿庵を見つけて訪問。だが、大好きな鴨せいろはない。しかし、面白いものを見つけた。
注文したのは、「大もり」。そばの量に驚いたが、それ以上に意外だったのが、うずらの卵とプッチ。
これ(↑)がプッチ、うずらの卵の殻を切る専用のハサミ。愛知県の東三河は、うずらの産地ということもあって、そばを頼むと必ずうずらの卵が付いてくる。プッチを使って殻を破り、そばつゆに卵を混ぜる。カルシウムの甘みがそばつゆに加わって、これが美味しい。
調べて見ると、長寿庵の一部の店ではうずらの卵が付くようだ。三河出身者が、長寿庵の系譜のどこかに紛れ込んだのだろうか?
全国どこもそうだけれど、地域限定の特色はあれこれある。そばにうずらの卵が付くのは中部・関西だけだなんて、大学に進学するまで知らなかった。石を投げれば喫茶店に当たるのも、ゴージャスな格安モーニングを食べられるのも、ましてや、コーヒーに柿ピーが付くのも愛知だけとは知らなかった。コメダ珈琲でコーヒーを注文すると豆が付いてくるのは、その名残ですよ。