カイド ⑦ | EXO's World 。… .:*:・'°☆

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カメ更新ですが気長によろしくお願いします


Side K



あの後ふたりで夕食は食べたけど、その間何を話せばいいか分かんなくて、ギョンスの美味い味を堪能した


そしたら気づいたらギョンスの機嫌も良くなってて、それからの時間はリビングのソファに座って俺はテレビをギョンスは本を、それぞれ好きな時間を同じ場所で過ごした


違うことしててふたりとも黙ったままだったけど、不思議とこの時は心地よかったんだ


よかったんだけど



その後の就寝時がものすっッッごく気まづかった!



さすがに男ふたりでひとつのベッドはないだろうと思う  


というか母さんと姉さんは何を考えてるんだ??!!


困り果てたギョンスに俺はずっと謝った


「まあ、ふたりともキミを思ってのことだと思うし、ふたりの気持ちは受けとめようよ」


困ったままの笑顔に、無理をさせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいだ


「さ、もう遅いし。寝よう」

「・・・・・・うん」


俺たちはベッドの両端に背中を向けて潜り込む


お互いものすごく気まづくてなかなか寝つけなかったけれど、次第に眠気が襲ってきて、眠くなるとすぐに寝てしまう俺はすぐに意識を離した






「・・・・・イン・・・」


「・・・ジョ・・・ン」  



だれかが俺を揺すって起こす


「・・・ゔぅ・・・・まだ寝る・・・」


もっと寝かせて


「起きて!朝だよ!」


あれ?


この声・・・・・・


「ジョンイン!」

「ん・・・・・ディオ?」


うっすらとぼやける視界がだんだんはっきりしてくる


ぱちん


「あ痛っ!」


頬に衝撃を受けて思わず飛び起きると、目の前に腕を前で組んで睨むギョンスがいた


「やっと起きた。はやく支度してごはん食べて。遅刻するよ」

「?・・・・・はい」


朝から不機嫌な様子のギョンス


どうしたのかな?


「俺昨日何かしちゃったのかな?」











Side D



「俺昨日何かしちゃったのかな?」


寝室を出るときに聞こえた見当はずれなジョンインに更にムカつく


昨日は仲直りしたし。べ、ベッドのことだって端っこで寝れば問題なかったし。眠れなくてジョンインの様子を見たらいつの間にか寝てて思わず寝顔を見ちゃって子どもみたいだなって笑えて、今朝もふたり分の朝食とお弁当を作った。


なのに!


寝惚けた人の寝言だとしても、ディオと間違われるのはムカつく!!


僕はディオじゃない!!!



「ギョンス、ごめんね」

「・・・・なにが?」

「何って・・・・俺何かギョンスにイヤなことしちゃったのかなって思って」


寝間着のスウェットに寝癖の鳥頭でだらしない格好でしょぼんと謝るジョンイン


「何をしたのかわかってもいないのに謝らないで」


何も答えられず立ちすくむジョンインをそのままに朝食を食べはじめる


あ〜あ


朝からすごく気分が重い



僕だって朝から怒りたくないよ




少ししてジョンインは向かいの席に座り食べはじめる


チラチラと僕の様子を見てくるジョンインの視線は無視して黙々と食べた


こういうところは子どもみたいなんだよな


ホントに僕とひとつ違いだとは思えない





昨日の仲直りしたあとに気づいたこと


ジョンインの腕から離れた時にジョンインがブレザーの制服姿であることに気づいた

「あれ?ジョンインって歳いくつ?」

「?16だけど」

「え?!1コ下?!」

「え?そうなの?」


年上かと思っていたジョンインは実は年下だと知り驚いた


ヒトって見た目で判断しちゃいけないね





「・・・・ギョンス?」

「え、なに?」


回想に入ってぼーっとしていた


いつの間にかジョンインは制服に着替えてて髪も整っていた


「あ!洗いもの!」

「帰ってからでいいよ。遅刻するよ」


ジョンインは僕の分も洗面台に運んでくれたらしく、僕の手を引いて玄関に置いておいたカバンを拾って渡してくれる


「車待ってるって」

「え?!」


まさか送迎があるなんて聞いてなくて驚く


「い、いいよ!僕歩きで行くから! 」

「大丈夫だよ。学校の手前まで送るから」


いや、そうなんだけどそゆことじゃなくて


「でも・・・」

「大丈夫だってば!ほら、行こう!」


強引に手を引かれて家を出ると、門の前にすでに送迎車が着ていた


「ギョンスヒョン、ジョンインおはよう!」

「ふたりともおはようございます」

「!?」

「おはよ」


車の後部座席からテミンくんが降りてきてセフンくんが窓からひょっこり顔を出した


「ほら!乗りなよ!」

「え、あ、うん」


テミンくんにエスコートされて車に乗ると4人席で向かい合わせだった

3人とも同じ、ベージュのブレザーに赤ワイン色のネクタイと同色のチェックズボンの制服姿でとても似合ってる


やっぱ私立と公立じゃ違うんだなぁ


「今日珍しく寝起きよくね?」

「いつも朝は不機嫌MAXなのに」


と向かいに座るテミンくんとセフンくんがジョンインをいじりはじめる


というかこんなこと言われるジョンインって普段どのくらい朝に弱いの?


「ギョンスヒョン、コイツ起こしに行ってもなかなか起きなかったでしょ」


そう言われて今朝のジョンインの様子を思い出す

確かに枕に顔を埋めてイヤイヤがってたっけ

そのあと余計なこと言って僕を怒らすから引っ叩いて起こしたけど、そんなこと言えないし


「ギョンスの美味しい朝ご飯食べたからね」


返事に困ってると代わりにジョンインが答えてくれた

ふんわりと僕に微笑むから思わず顔を逸らしちゃったけど、今の言葉はすごく嬉しかった


「ジョンインが料理褒めるの珍しいね」

「え?そうなの?」


意外そうな顔するテミンくんにまた驚く

昨日も言われたけど、すごく美味しかったって喜んでくれたし

今のもきっとジョンインの素直な感想


「ギョンスの作る飯はめっちゃ美味いよ!」

「へぇ〜お前がそんなに言うなら俺も食べてみたい!」

「俺も!」

「ダメ!ギョンスの作るものはぜんぶ俺の!」

「ギョンスヒョン!今度俺ん家来て作ってよ!お願い!」

「おい!テミン!」

「ヒョン、今から俺の家来てもいいよ」

「あ!セフナ!ふたりともふざけんなよ!」


ぎゃいぎゃい、わいわいとじゃれはじめる3人

3人ともとても楽しそうで、ふと何か頭を過ぎるけど、一瞬でわからなかった


だけど、どうしてかな?


すごく懐かしく感じるのは



車がゆっくりと止まり、いつの間にか自分の学校の近くまで来ていた


「ギョンスヒョンもう行っちゃうの〜」

「近いうちに食べに行きますんでその時はよろしくです」


着いて降りると窓を開けて残念そうな顔を覗かせるテミンくん
そしてちゃっかり予約するセフンくんに可笑しくてつい笑った


「放課後も迎えに行くよ」

「え?いいよ。車だと目立つし」

「じゃあ歩きで」

「え?」

「一緒に帰ろう、ギョンス」


ふっと笑うジョンインになぜか胸がぎゅっとして顔が熱くなって


「・・・・・バカ」


なんだか照れくさくなって顔を見られないように逃げるように学校に駆け込んだ


なんでかな


心臓がうるさい



「あ!ギョンスーーー!!」

「おはよ・・・って、どうした?顔赤いぞ」

「な、なんでもない!//////」


"一緒に帰ろう"と


言ってくれたジョンインに


ときめいたなんて


この時の僕はこの気持ちに


気づくはずもなかった







「あ!見送るの忘れてた!」

「見送り?」

「何のこと?」








Side K



うわぁああああああ!!!!


何?!今の!!!


何?!あの反応!!!



「可愛かったね、ギョンスヒョン」

「お前が言うな!///////」


さらりと言うセフンに怒る


「心配してたけど全然大丈夫そうじゃん」

「ラブラブだね」


つまらないとぶーたれるテミンによかったねと微笑むセフン


いやいやいやいや違うけど!!!



「・・・・・はじめて見たあんなギョンス」



顔を真っ赤にして去り際に「・・・・・バカ」って呟くとか、可愛すぎる


何?!あの生き物!!


「ほんとにあれで年上とか、ヒトって見た目じゃないんだな」

「何照れ隠そうとしてんの?」

「隠せてもいないけどね」

「・・・・・・うるさい」



茶化をいれるふたりにもう耳を傾けまいとポケットからiPodを取り出す


「年上っていくつ上なの?」

「ひとつ上」

「へぇ〜、ディオヒョンと同じかぁ〜」



テミンのその言葉にハッとする


そういえばギョンスの機嫌を直してもらおうと必死で忘れてたけど、昨日その話をした時に同じ事を思ったのを思い出す




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?



そういえば



ギョンスはなんで今朝



あんなに怒ってたんだっけ?








……To be continued