DOLLHOUSE | EXO's World 。… .:*:・'°☆

EXO's World 。… .:*:・'°☆

カメ更新ですが気長によろしくお願いします



人が持つモノには思いが込められる


そういう''モノ"には魂が宿りやすいと云われる

そういった話では"人形"が一般的に多いが


思いが強ければ何でも可能である


そう  例えば


"ドールハウス"


とかね







「ドールハウスなんて女の子しか遊ばないそんなモノに宿るのか?」


栗毛の短髪の青年が訝しげに聞く


「この坊は女の恐ろしさを知らないのじゃな」

「はぁ?」

「女は欲望のまま生きる生き物。欲望だけが女を生かす」

「・・・そんなのイヤってほど知ってる」


青年は婆さんシスターの回答に表情が暗くなり刺すような瞳を光らせる。


「大人の女はそうじゃが小さな女子(おなご)はもっと厄介じゃ」

「厄介、とは?」


大人しく聞いていた全身黒に身を包んだ小柄な青年が静かに問う


「ヒトは思いを抱える。いろんな思いを多く抱えて生きている。大人は金や権力などに思いを吐き出す。それと類似して小さな子どもはその思いを身近なモノに吐き出す」

「ああ、それで人形がオーソドックスなのか」


金髪の綺麗な女顔の青年が納得と頷く

その隣で猫目の青年も頷く


「女は思いが強い。子どものときがより思いは強く記憶が鮮明じゃ」

「そうか!"思い"と"記憶"を閉じ込めるモノ。女の子には人形遊びに使うドールハウスが当てはまるのか!」


長身の青年が大きな瞳を更に大きくして身震いする


「うっわぁ〜考えただけでもこわい!」

「ドールハウスでも幅広くあるらしいよ。より凝ったもののほうが値段が高い」


コンピューターに向かい合っていろんなドールハウスの画像をスライドする青年が言うと、その近くにいたこの中ではひとり浮いたスーツ姿の金髪長身の青年が答える。


「ああ、なるほど。作る人の"思い"も入るのか」

「・・・オーダーメイドなら複雑だね」


黒に身を包んだ小柄な青年に引っ付いていた対照的な白い服に身を包んだ黒い肌の青年がぼそりと呟く


「注文する人、作る人、使う人。それぞれの気持ちと記憶が絡み合う」

「注文する人と使う人は同じ場合もあるだろ」

「・・・たくさんの人がいる。どうするかもたくさんの選択がある」


女顔の男に言われても無表情で返す青年の瞳は赤い色に染まっている


「ジョンイン・・・・・・じゃなくてカイか?」


青年は何も答えないが、隣にいた小柄な青年が彼の目元を手で覆うと、彼は力が抜けたように倒れ、眠りにはいる。


「まだ実物を目にしていないのにカイが現れるなんて」

「人の思いはそれほど強い力をもつということですね」


長身の青年が栗毛の青年と引っ付いて怯えていると、小柄な青年が眠る彼の頭を撫でる


「ギョンスは何ともないか?」


猫目の青年がその青年の瞳を覗くと、オッドアイのように片方の瞳が赤く光っていた


「カイに引き込まれて少し出てきちゃいましたけど、大丈夫ですよ。すぐに"僕"に戻ります」


にこりと微笑む彼からはふたりの気配がする

ひとりだけど"ふたり"で"ひとり"の黒と白の青年たち


「・・・この件はギョンスとジョンインを連れて行くのは危険じゃないか?」


金髪長身の青年が心配するがそれを「バカタレ」と老婆のシスターがぴしゃりと言う


「ふたりがおるからお前たちは帰れる可能性があるのじゃ」

「でも婆さんこの話をしただけでカイが出るとなると、ふたりは"あちら"に引き込まれてしまうよ」


猫目の青年もシスターに抗議するが老婆は首を横に振る


「僕らの今回の相手はふたりが必要とするほどの"お相手"ということだね」


コンピューターから目を放してみんなに忠告する


「つまり、ふたりがいなければ僕たちは"あちら"に閉じ込められてしまう危険性があるということだよ」


その言葉にその場にいる全員が口を噤みしんと静まりかえる


「・・・それで?その強力なお相手さんはどこに行けばいるんだ?」


栗毛の青年が嫌味を込めて老婆のシスターに尋ねると、オッドアイの青年が答える


「街はずれの白い家に住む幸せな一家だよ」




にこりと微笑む彼の片目が元の色に戻った瞬間に、眠っていた青年が目を覚まし、一瞬で青年たちともに姿を消してしまう


取り残された老婆のシスターは胸の十字架を握り祈る


「彼らに神の御加護を・・・・・・」



そして何事もなかったように教会の仕事へと戻っていった







……To be continued