Side B
ふと意識が浮上して、身体がぶるっと震えて開かない目をそのままに手探りで毛布を探す。
ちょんと触れたものは毛布より固くて、でも温かくて、それを握ってぎゅうぎゅう引っ張っても動かない。
何だこれ?
重たい瞼を開けようとしたとき、伸ばしていた腕を引っぱられて、いとも簡単に身体が引き寄せられる。
顔面を硬いものにぶつけると同時に欲しかった暖かさに包まれる。
抱きとめられた温もりの正体は、もう目を開けなくてもわかる。
「おい、何すんだバカニョル!顔面当たったろ!」
「ごめんね、ベク。これなら寒くないと思って」
へらっと笑う情けない顔に、呆れつつも嫌いじゃないからそのまま俺もチャニョルに抱きつく。
「え?べ、べべ、ベクちゃん?!」
「うるせぇな。お前いないと寒いんだよ。朝まで離すなよ」
普段なら言わないけど、寝ぼけてるってことにして、たまにはこうして甘えたっていいよな。
「朝になっても離れるわけないじゃん」
じゃあなんでさっき離れてたんだ!
なんて文句も眠気がまた襲ってきて言えなかったけど、どうせチャニョルのことだから俺の意地っ張りだと思って気づかねーだろうし。
それでもいいんだ。
鈍感で何度もしつこいお前のことだから、この後に続く言葉に俺の気持ちに何度も応えてくれるだろうし。
おやすみ、俺のチャニョル。♡
Side C
思いがけないベクからの愛の告白に、俺の塵しかない理性がいとも簡単に吹き飛ばされてしまう。
「ベク、すき!♡大好き!!♡♡♡」
「・・・そんなの前から知ってる」
決して「俺も好き」とかはあの日以来言ってくれることはなくなったけれど、
それでもいいんだ。
よくみんなには「相手に冷たくされてもめげないね」と言われるけど、俺はベクに冷たくされた覚えは何ひとつない。
だって、ベクはどんなことでもちゃんと応えてくれる。
だって、
「ベク、愛してるよ♡♡♡♡♡」
ほら、
「・・・だから、知ってるって///」
耳まで真っ赤にして俺に抱きついて、ちゃんと応えてくれる。
「もう寝ろ、バカニョル///////////」
ちゃっかり俺の腕に収まり、俺の胸に顔を埋めてくる。
そこからベクのぬくもりに癒されて、ベクの愛を髪の毛からつまさきまで全身に感じるんだ。
「んん〜♡♡♡♡すき♡♡♡♡」
そんでもって、どんなにしつこくしても
「おい、チャニョル」
「ん〜?、!!♡♡♡♡/////////」
「んはぁ、寝ろ」
ベクは俺が欲しい応え以上の応えを返してくれる。
ベクは小悪魔みたいに妖艶に微笑むと、さっさとひとりで眠りにつく。
おやすみ、俺のベク♡