8月終わるその前に
この気持ちだけは伝えたくて
見慣れた道を止まることなく走り続ける
通り過ぎる景色はぜんぶ
ふたりの思い出ばかりが浮かんで
走っていて苦しいのか
思い出して苦しいのか
わからない息苦しさが襲うけど
最後かもしれないから
どうしても伝えたい
辿りついた白い建物
走るなと注意されるけど
君のいる白い部屋へと駆け込む
荒々しく来た僕に驚き
すぐにふにゃりと笑う君
その手をとって君に伝わるように
その綺麗な瞳から逸らさずに告げる
「すきだ。
またすぐにここに戻って来るから。
必ず迎えに行くから。
だから、、
それまで、待っててくれる?」
すると君は瞳に涙をいっぱい溜めて
でも嬉しそうに笑って
泣きながら笑うその顔が
いちばん綺麗だと思った。
それが最後だと知らずに。
end