雪だるまつくーろー♪ | EXO's World 。… .:*:・'°☆

EXO's World 。… .:*:・'°☆

カメ更新ですが気長によろしくお願いします

⚠︎以前のブログに載せてたものです








「ねぇ、ジョンイナって雪だるますき?」


空き時間に楽屋で携帯ゲームをしてたら、珍しくギョンスヒョンがちょこんと隣に座ってやって来たと思ったら、唐突に質問してきた。


「雪だるま?なんで?」


俺が聞き返すと、「んー」と言いながらギョンスヒョンが急にそわそわし始める。


「寒いのとか、好きかなーって」

「雪だるまは好きでも嫌いでもないけど、寒いのはあんまり得意じゃない」

「そっか。じゃあ・・・・アニメは好き?」

「まぁ、好きだけど。雪だるまの話はどこに行っちゃったの?」

「雪だるまが出てくるアニメならどう?」


さっきから何の話してんのかな。


「見たことないから分からないけど、おもしろかったらいいんじゃない?」

「そうだよね、おもしろかったらいいよね」

「そういうアニメがあるの?」

「うん、映画なんだけど」

「アニメ映画?雪だるまの?」

「そう。それで、ジョンイナそういうの好きかなーと思って」


もしかして、遠回しに俺を映画に誘ってくれてると解釈していいのかな。


「ヒョンはその映画が観たいの?」

「うん」

「誰かと一緒に観たいの?」

「えっと・・・・そう、かな」

「それって、俺?」

「・・・・・ジョンイナが雪だるま好きだったら、なんだけど」


そう言ってギョンスヒョンがちらちらと上目遣いで見てくる。

何だよ、そのかわいい誘い方。
どこで覚えてきたんだ。

それに、一緒に行きたいなら最初からそう言えばいいのに。


「いつ行く?」

「え?」

「一緒に観に行くんでしょ?俺はいつでもいいよ」

「本当?一緒に行ってくれるの?」

「当たり前でしょ。だれの彼氏だと思ってんの」

「ありがとー!」


ヒョンが嬉しそうに抱きついてくるから、楽屋なのに危うくそのまま押し倒しそうになった。


たまにこうやって俺のこと遠慮がちに誘ってくるところが、堪らなく愛しい。

普段は年上なんだからとあんまりギョンスヒョンから甘えてきたり誘ってきたりはしないから、今ものすごく幸せすぎる。





映画は結局その日の夜に行くことになって、仕事終わりに映画館までマネージャーに車で送ってもらった。

ヒョンは始まる前からずっと楽しそうで、「チキンとポテト2つ買って半分こずつしようね」とか、「あ、ポップコーンに新しい味が出てるって!」と言いながら、やたらとはしゃいでいた。


この間テミンと映画へ行った時に写真を撮られたことを、もしかしたらずっと気にしていたのかもしれない。


「ヒョン、ごめんね」

「え?何が?」

「最近一緒に出かけてなかったなって思って」

「ううん。今日一緒に映画観に来られたから」


そう言って嬉しそうに俺を見上げるヒョンを見て、俺は思わず抱きしめそうになる。


上映前から、すでに映画どころじゃないんですけど。





俺たちはそのまま必要なものを購入すると、上映時間ギリギリに席に並んで座った。

平日の夜だからか、人は少なくていちばんみやすい席をとれた。

ふと隣を見ると、ヒョンは座高が低いから、暗闇の中で見ると本当に子どもみたいで笑ってしまう。


「ヒョン、スクリーン見える?」

「見えるもん」

「もういっこ前に移動してもいいんだよ?」

「大丈夫だもん」


俺が聞くと、そう言って唇を尖らせて答えるから、また笑ってしまう。



ヒョンは基本的に背もたれに体重を預けていたけれど、見せ場になると時々前のめりになったり、悲しい場面では両手で顔を覆って指の隙間からちらちらとスクリーンを見たりしていた。


やっぱり子どもみたい。
可愛すぎる……。


そう思ってヒョンを観察していたら「ちゃんと映画見てよー」と真面目な顔で怒られてしまった。


「だってヒョン見てる方が楽しいもん」

「映画館に来てる意味ないでしょ」

「あるよ。暗いから堂々とキスできる」


俺がそう言って一瞬で唇を奪うと、ヒョンは暗闇でも分かるぐらい真っ赤になって俺の右肩を叩いた。






映画が終わったのは真夜中で、宿舎まで帰りついたのもだいぶ遅い時間だった。


「みんなもう寝ちゃったね」


俺たちは静かに玄関から入り、自分達の部屋に入りベッドに崩れた。


「映画、楽しかった?」

「うん、楽しかった。雪だるまつくーろー♫」

「そのフレーズ気に入ったの?」

「うん。ジョンイナとえいーが♫」


ヒョンはにこにこしながら替え歌を口ずさむ。

よっぽど嬉しかったんだろうな。
こういうところ好きだな~。


「俺も気に入ったフレーズあるよ」

「どれー?」

「オラフの台詞」

「うーん。何だろう・・・・『僕、オラフ!』」

「違うよー」

「じゃあ、『つらい時には夢を見よう』?」

「それも違う」


俺はヒョンに近づき、正面からそっと腰に手を回す。





「『大切な人のためなら溶けてもいい』」





ヒョンは目を丸くするとすぐにほっぺを真っ赤にして、俺の背中にぎゅっと手を回した。



「・・・・・それ、もう1回言って」



小さな声でも静かな部屋でははっきり聞こえたヒョンのリクエストに応えるため、俺はヒョンをさらに強く抱きしめてもう一度耳元で囁く。



「大切な人のためなら溶けてもいい」



ヒョンは俺の胸に顔をうずめて、「ジョンイナ」と俺の名前を呼ぶ。



「僕も気に入ったフレーズもう1つあるよ」

「何?」

「・・・・・・・『ぎゅーって抱きしめて』?」

「それ、もう1回言って?」

「っ// 恥ずかしいよ///」

「お願い」



俺が耳元で囁くと、ヒョンはしがみつくように抱きついて、ますます深く顔をうずめる。




「・・・・・ぎゅーって、抱きしめて」


「言われなくても抱きしめるよ」



俺はヒョンの耳元で小さく囁き、唇にそっとキスを落とす。




今から始まる



甘くて熱い、俺たちの時間。






ねぇ、まるで







こっちの方が映画みたいじゃない?