秘密の話 ② | EXO's World 。… .:*:・'°☆

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カメ更新ですが気長によろしくお願いします


揺れる電車のなか


今まで過ごしてきた田舎町を眺めた


ここから見える海



あの夏の日から


俺は


未だにひとり


取り残されたまま


















最初はあまり意識はしてなかった


でも、廊下で騒いでて


キミの笑顔を見て初めて綺麗だと思った


怒られてふたりで廊下に立たされても


キミと目が合うと自然と笑みが溢れた




もしかすると


もう、この時すでに


キミに恋に落ちていたのかもしれない





それから夏休みはずっとふたりで過ごした


海や川で遊んだり


暑いのを我慢して宿題をやって


休憩のときにはかき氷を半分こ



どこへ行くにも


何をするにも


いつもふたりでいた






でも、俺は


この想いを伝えることはなかった


いや、できなかった



気づいてたんだ


ふと不安な表情に曇る横顔に





子どもだった俺は


言ってはいけないんだと


不安にさせてはダメなんだと思った








夏休みが終わる、最後の日



夜眠れなくてベッドを抜け出して家を出た



真夜中の海辺を歩いていると



座っている人影に目を見開く




「……ギョンス?」




俺と同じで家を出てきたらしいキミ



ほんとに俺らはふたご座のようだ



バラバラでも


考えてることや


思ってることは一緒





「ジョンイナが寝れないなんて珍しいね。TPO 関係なくどこでも寝てンのに。今日のお昼寝過ぎた?」



あの日と変わらない綺麗な笑顔で話すキミと



「からかうなよ、ギョンス~」



こんな他愛ない話ができるのが嬉しい





………あ、また



最近は多くなったあの横顔




キミはどんなに不安でも



俺には何も話してくれない




それがすごく寂しいよ




「ねぇ、ギョンス。歌って」


「えー?突然なんで?」


「……いいから、歌って、お願い」


「ぅ……そのお願いは狡いぞ!」



うん、知ってる


ギョンスが俺のお願いに弱いことも


甘えられるとすぐに甘やかしてしまうことも


ギョンスの肩に頭を預けて


またお願いと言うと


ギョンスは深呼吸して歌い始めた




ねぇ


英語なら俺にはわからないと思った?


キミを密かに想ってる、なんて


俺、自惚れてもいいの?




ギョンスの歌は


俺の耳を、心を通りすぎると


夜の海に吸い込まれていった




ギョンスを見上げると


儚げに海を見ながら歌う顔が視界に広がる




その瞬間、俺はゾッとするほど


怖くなった




ギョンスが……




この漆黒の海に



吸い込まれていきそうで……


連れて行かれそうで………




引き留めようと


ぎゅっとギョンスの手を握った




いつまにか眠気が襲ってきて


目が覚めたときは


ベッドのなかだった





それでも微かに覚えてるギョンスの声



「お前はこのままでいて……」



そう呟いて俺の頭を撫でたギョンス








月日は流れて


もう次の日は


ギョンスは卒業する




あの夏がとても恋しい


その日、ギョンスが流した涙の本当の理由を


俺は後から知って後悔した







卒業当日


壇上に上がり、賞状をもらう


そんなギョンスを見たとき


あの日の夜に感じた恐怖が蘇った




ギョンスが行ってしまう



掴みたくても遠すぎるキミの手




引き留めることもできないこわさから


一粒の瞳が頬を伝った







式が終わって門出を出る直前



ギョンスと眼が合った瞬間



俺は誓った



ギョンスの隣にいれるくらいに


強くなろう、と





高校はダンスの強いとこに行って


しばらくの間


ギョンスとも家族とも会わなかった




大学受験のため実家に戻って知った


ギョンスが都会の大学に行って


そこで一人暮らしをしてることも


ふたりのアルバムを


置いて行ったことも………




俺はまた置いて行かれたんだ









そんなとき


ふと、空っぽだった部屋が


隣の家の雰囲気が変わった




ギョンスの家に行くと


ギョンスが帰ってきていたと言う


何かを……取りに来たと




俺は急いで駅に向かった



走って



走って




ギョンス



キミに



会いたくて






電車が来て



ギョンスが乗り込む後ろ姿を呼び止める






「ギョンス!」








振り返ったギョンスは



あの頃よりも美しくて



儚くて



でも、どこか強い意思をもった瞳で



俺に綺麗に微笑んだ






手にはアルバムを持って





「バイバイ、ジョンイナ」




頬に涙を伝わして最後に俺に言った言葉




今でもずっと心に響いてる












ねぇ、ギョンス



あの頃の俺はまだ子どもで



キミの本当の弱さに気づけなくて



強くなろうと思っても



どうすればいいかわからなかった




俺はギョンスが言ってくれるまで



待っていた弱い奴だったんだ




いつも手を伸ばしてくれたキミに



甘えすぎていたんだ





ごめんね




今度は



俺が



迎えに行くから








END


_____________________________※※


今度はジョンイナside です

中途半端に終わらせてしまいすみません 汗))
主がもう限界で………(;゜゜)


これ以上かけませんでした(;_;)
ごめんなさいぃ(;つД`)