[ A dissolute person ] side K
今日の俺は世界でいちばん幸せなんじゃないかと思うくらい、大好きなギョンスと丸一日を過ごせる嬉しさに浮かれていた
珍しくはやく起きて
約束の時間よりも1時間もはやく来てしまった
はやく会いたくて
まだかな
まだかな
そう思っていると
30分後にギョンスの姿が見えた
いつものラフな格好じゃなくて
白のスキニーパンツに青いボーダーラインのシャツを着て来たギョンス
かっこかわいいその姿に、俺はまたヒョンをすきになる
しかも、あのボーダーシャツは、前に練習でギョンスが着てきて可愛くて誉めたシャツ
ギョンスは覚えてはいないことだろうけど
バカな俺はそんな些細なことでも自惚れてしまう
腕を掴んで連れ回しても、振り払われることなく笑顔なギョンスに安心と嬉しさと、いろいろと浮かれていた
だから、チャニョルと呼ばれる男が現れたとき、俺は現実に引き戻された
ギョンスにとって俺は、"事務所仲間の友だちのひとり"であること
チャニョル(たぶんヒョンだろうけど敵にヒョンとは言わない)の長い腕はギョンスの細い首に回されて、その腕にヒョンは手を重ねる
普通なら友だちとの軽いスキンシップだとスルーできるだろうけど
俺の知らない男が、たとえ男でも好きな人に絡むところを見ていい気はしない
こんなの俺の独り善がり
俺が
俺だけが想ってる
ただの片想いのヤキモチなのに
ここに居たくなくて
宛もなくどんどん進んでいると
くいっと腕を後ろに引っ張られた
そのまま振り返ると
息を切らしたギョンスが俺を見上げていた
どうしたの?
なにがあったの?
そんな不安な、心配そうな眼で
「はぁ、はぁ、?ジョンイン?」
「ごめん、ギョンス」
「?」
「ちょっと、そこのベンチに座って待ってて。飲み物買ってくるから…」
「え?いや、だいじょ、「待ってて」
俺は無理矢理近くのベンチにギョンスを座らせるて、売店に向かった
少し、頭を冷やそう…………
そう思って、気持ちを落ち着かせてからギョンスの元に戻ったら……………