視線 | EXO's World 。… .:*:・'°☆

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カメ更新ですが気長によろしくお願いします





あれから、ギョンスのすきな人が気になって探ると、答えはすぐにわかってしまった






今、ギョンスはその人と楽しそうに話している





俺はそれをただ見てるだけで何もできなかった






俺の予想ってよく当たるんだよなぁ





テストのヤマをあてるときは自分すげーと思ってたけど、今はただ妬ましいだけ







なんで







そう思うけど、もし俺が他の人に言われても何も言い返せない







だって、ただすきだから







その人のすべてがすきだから






それしか答えられない







ギョンスだって同じだと思う









俺はどうすることもなく、遠くからふたりを見てるしかなかった







机に顔を伏せてため息を吐く







「………最近元気ないね、ヒョン」




「ぅわっ?!おまっ、いつの間に居たんだよ?!」




「ずっとここに居ましたよ。ヒョンが気づいてなかっただけです」




いや、それはどーだかわからないけど



俺からしたらいつの間にか隣に座って方杖をついて遠くを見てるジョンイナがいた



ちらりと俺を見る眼はすぐに先程から見てるところへと戻る



ジョンイナの視線の先は………



俺が見ていた先と同じ





「……ねぇ、ヒョン。今ツラいっしょ」







うん





ツラい




とても







だけど



チャニョルへの想いを消すことなんてできない



膨らむばかりで



いつ弾けるのか自分でもわからない



だから



譲れない



わたしたくない






そんなこと、お前には言えないけど







じっと一点を見ているジョンイナ








「………うん」







ひとりごとのようにぽつりと呟くと、ジョンイナの耳には聞こえていたようでふわりと優しく微笑まれた







「俺、あの人には負けたくない」






「……俺だって負けたくない」






「……ハハッ」






「なに笑ってんだよ、気持ちわりぃな」





「ヒョンだって笑ってるくせに」






俺らはぷっと吹き出して笑った













こんな風に笑うのいつぶりだろ?






あぁ、俺って今まで全然笑えてなかったのか






ギョンスもジョンイナも


そんな俺に気づいてくれてて


さりげなく背中を押してくれるなんて



いい奴すぎんだろ



嬉しいのと、気持ちに余裕がない自分がなんだか悔しくて複雑な気分だ






「ヒョン、次のオフの日ちょっとつき合ってよ」



「?なんでだよ?」



「話したいことあるから」





お願いとギョンスによく使うあの甘えたようなおねだりをされて断れなかった




前にギョンスにジョンイナに甘すぎって怒ったけど、ギョンス気持ちわからんでもないな




いつも眠たそうに無愛想な奴に可愛くねだられちゃあ断れないな





しかたねーなーとジョンイナの頭をわしゃわしゃと撫でた








俺はこのとき

こっちに向けられていた視線に気づかなくて


この時点で もうすでに

4本の糸が複雑に交差していたことを

知らなかったんだ