[ ここにいて ] side T
「ん………」
なんだか眩しくて目を覚ますと、僅かな隙間からお日さまの陽射しがちょうど僕の目の辺りに射し込んでいた。
目を細めて掌で陽射しを遮ると、僕の視界は信じられない光景に広がる。
「おはよう、タオ。」
「な、……なんで??」
優しく微笑みかけてくれるセフナ。
気づけばセフナに腰を掴まれて横になりながら抱きしめられていた。
「タオ、ごめんね。」
?
「いっぱい泣かせてごめんね。」
あ………そうだ…………。
昨日、シウちゃんが僕の話を聞いてくれたんだっけ。
……………………………………あれ?
でも、なんでセフナが知ってるの?
てか、まず、なんでここにセフナがいるの?
なんで僕を抱き締めてるの?
「………タオ、もしかして寝惚けてる?」
うん。
そうかもしれない。
なんか、頭がボーッとしてなにも考えられない。
「タオ?」
セフナの片手が僕の片っ方のほっぺに触れる。
わ、冷たい……。
なんか、気持ちいい。
「わ!アツ!ちょっ、タオ!熱あるじゃん!」
ふと、セフナの手が放れていってしまう。
やだ、
だめ!
必死に離れてく腕を掴む。
「タオ、」
「やだ、行っちゃやだ、」
「タオ、一回体温計持ってくるだけだから、」
「お願い!行かないで、セフナぁ、」
離れないように掴んだ手に力が入る。
行かないで、
僕から離れないで、
訳もなくぽろぽろと涙が落ちる。
「ごめんね、セフナぁ。僕、、っごめんね、」
「タオ……」
「もう、逃げないから、、離れないからぁ、ひっく、、傍にいるからぁ!、、どこにも、行かないでぇ!、、んんゥ!」
突然体が倒されて、口を塞がれた。
「ん、ん、、んん、!!」
熱くて、気持ちよくて、わけがわからなくて、ボーッとする頭が更にボーッとしちゃう。
「せ、ふなぁ、んんぅ、、」
息苦しくて、もうだめってなってやっと解放される。
肩でいっぱい空気を吸って呼吸を整えるのにいっぱいいっぱい。
「せ、ふなぁ、、」
ただそんな僕でもわかってることは
セフナが僕に覆い被さって、指を絡めて握ってくれてること。
「どこにも行かないよ。ここにいるから。」
ぎゅっと握る手に力を入れられる。
「タオ、タオ、」
大好きなその声で、何度も僕を呼んでくれる。
「せ、ふなぁ、、」
すきだよ、
ほんとに大すき。
だからお願い
今だけは
僕を
僕だけを………………_________。