君が俺と同じ時間帯に練習が重なったことが嬉しくて
君といるこの時間がとても嬉しかったんだ。
[ Polly ] side K
今日もいつもより早めに事務所に向かう。
1秒でもはやく君に会いたくて。
ギョンスと一緒にいるようになってからわかったこと。
ギョンスは見たとおり真面目で優しくて、でもどこか抜けてて、よく変顔をしたりする。
そんなところも可愛くて、俺はまたもっと好きになる。
お互い年を勘違いしてひどく驚いたのを今でも覚えてる。
あの大きな瞳を更に開いて吃驚する姿が好き。
その顔見たさにいろいろ悪戯したり、特別な日にはサプライズをしたりした。
ああ!はやくギョンスに会いたい!
「あれ?ジョンイン?」
通りを走っていると、会いたい人の声が通り過ぎていく。
吃驚して振り返ると、すぐ近くの喫茶店から出てきたのか、その店の袋を片手に俺をその大きな瞳に写して微笑むギョンスがいた。
「ギョンス!」
「どしたの?そんなに急いで。」
ほんとはギョンスにはやく会いたかったから。だけど、そんなこと突然言っても困るよな?
くきゅるるるー
「え?」
「あ。」
答えに悩んでいたらお腹が鳴って、慌ててお腹に手を充てる。
「お腹空いてたんだね。それならサンドイッチあるから一緒に食べようか。」
ギョンスは笑わずに持っている袋を指すと、俺の手を引いて隣に並んで事務所に向かった。
ギョンスの小さな手で捕まれた俺の手首から、ギョンスの体温が伝わってきて、全神経が手首に集中して落ち着かない。
そんな俺に気づかないギョンスは休憩室まで連れて行くと、俺にソファに座るよう促して、俺の好きなあのときの缶コーヒーを買ってくれた。
「ギョンスのお昼なのに。」
「いいよ。いつもより多めに買っちゃったからあげる。それに、」
缶コーヒーを手渡して隣に座るギョンスは照れたように口角をあげて目を細めた。
「ひとりで食べるより、お前と一緒に食べるほうが楽しくて好きだ。」
ああーもうーどうしよう。
なんでこの人はこんなにも俺の嬉しくなることばかりするんだろう。
優しく微笑む笑顔が眩しすぎる。
ドキドキと心拍数が上がっていく。
この人はどれだけ俺を好きにさせるんだろう。
ギョンスはラッピングをとってサンドイッチを俺の顔の前にもってくる。
俺はそのままかぶりついてサンドイッチを食べた。
なんだか恋人同士みたいな出来事に嬉しくて、サンドイッチがより美味しく感じる。
「美味い!」
唇についたソースを舌で舐めて、口に広がる味を味わう。
全部飲み込んで、もう一回口にいれてもらおうとあーんと開けて待つ。
「ギョンス、」
なんでか知らないけど、呆けているギョンスの袖を引っ張ってはやくちょうだいと急かす。
はっと気づいたギョンスは仕方ないなと言いつつもサンドイッチを口に入れてくれる。
それに缶コーヒーを流し込んでふたり笑い合う。
あ~マジで幸せ。
好きな人とのサンドイッチに缶コーヒーは
いつもよりも何百倍も美味しかった。