[ He has a subtle charm ]side X
「ミンソク、お前凄いな!」
「またやろうな!」
みんなに口々に誉めらて、嬉しい半分、恥ずかしさ半分だった。
「なぁ、今度やるときはこっちのチームな!」
「ダメ!ミンソガは俺と組むって決まってんの!」
あるメンバーの一言に、ルハンが反応して俺を引き寄せて主張しはじめた。
「なんで?」
気に入ってくれたのかどうなのかはわからないけど、"俺の!"っていう主張が強い。
俺はどっちのチームでも構わないんだけどな。
「どっちのチームでもやるときにまた誘ってくれればやるよ!じゃあ、またね!」
ルハンがなにも答えないから、さらっと出てきた冗談だと受け止めて、俺は先に帰ることにした。
翌日のレッスンで先生が来るまでストレッチをていると、俺の前にルハンがしゃがんだ。
「昨日ぶり。」
練習のときに話しかけられるのは初めてで驚いた。
「珍しいね、俺のとこに来るなんて。」
「実は今日も練習のあとやるんだけど、ミンソガも来る?」
「いいのか?!」
またサッカーができる!
最近はダンスばかりで、昨日久しぶりにサッカーができて息抜きになった。
だから、帰り道にまたできたらいいなとは思っていた。
だけど、すぐに誘われるとは思わなくて少し驚いた。ましてやルハンに誘われるなんて意外過ぎだった。
「じゃ、決まりだね。終わったらセフンと3人で行こう!今日も俺のチームね!絶対だよ!」
「いいけど、なんでお前となんだ?」
「イヤ?」
「イヤじゃないけど……、」
なんで俺と一緒がいいの?
「俺とミンソガって昨日が会うの初めてで、サッカーも一緒にやるのが初めてなのに、そんな気がしないくらい息が合ってたじゃん?それがなんか嬉しくて、昨日が今まででいちばんサッカーするのが楽しかったんだ!だから一緒がいい!」
子どもみたいに無邪気に笑いながら熱弁して「ね、いいでしょ?」とお願いしてくるルハンが、なんだか可愛くて。
「ははっ、わかった。」
思わず手を伸ばして頭を撫でた。
俺のこの行動に驚いて目を見開くルハンに、しまったと思いすぐに手を引っ込めた。
「ごめん。こういうのイヤだった?」
「ううん、家族意外に撫でられるのは初めてでビックリしただけ。」
「そっか。」
俺はてっきりこういうのをされるのが厭なのかと思った。
眉を寄せて俺を凝視したルハンに驚いて引っ込めた手をもう一度伸ばして、先程と同様に撫でた。
ルハンは気持ちよさそうに両目を閉じてされるままだった。
なんだか、子猫みたいだ。
でも、近くで見ると顔は小さくてくりんとした丸い目で、同じ男だけどなんだか惹かれてしまう。
きっと、みんな同じでこういうところにルハンに惹かれるんだな。
昨日はまともに彼を見ていなかったから気づかなかったのかもしれない。
「ルハンってカッコいいのな。」
なんだか羨ましいな。
俺もルハンみたいに"カッコいい"って思われたいな。
「え?」
「あ、先生来たよ。」
俺の呟いた一言に驚くルハンに気づかないで立ち上がって集まる和のなかに入っていった。