「ねぇ!ギョンスくん!ちょっと来てくれる?」
スタイリストヌナに呼ばれて行くと、机にはいろんなデザインのYシャツにたくさんのプリントの資料が拡げられていた。
「どうしましたか?」
「うん、今度のshow time の衣装なんだけどね。カイくんのがなかなか決まらなくて。
その日はカイくん押しでいくみたいで目立つようにしたいんだけど、他の子のはみんな決まっててそれに合わせるのが難しくて。
ギョンスくんならカイくんが似合うものがわかると思って呼んだんだ。」
なんか、すごく責任を感じるんですが。
他のメンバーの衣装を見ると、白シャツにグレーの上着を着るものが多かった。
机の上のシャツとプリントに視線を移すと、白いシンプルなデザインのシャツと華やかなプリントの資料が目に入った。
「このプリントを胸元だけにしてみたらどうでしょうか?」
「わぁ!それいい!ありがとう!ギョンスくん!」
「いいえ。お役に立ててよかったです。」
「ヒョーン。集合かかってますよー!あれ、その衣装いい感じですね。だれのですか?」
ちょうどセフンが呼びに来てくれた。
「うん、ギョンスくんに頼んでカイくんの衣装を考えてもらったの。」
「へぇ!ヒョン、凄いですね!僕もこれ着てみたいです!」
「ありがとう、セフン。」
セフンの素直な反応は嬉しい。
「さ、行こっか、セフン。」
「ありがとう!ばいばい!」
ヌナと別れてみんなが集まる場所に急いだ。
来週、ジョンイナが着てくれると思うとすごく嬉しくて、はやく見てみたいな。
side K
Show time で、衣装に着替えて準備をしてるときだった。
「はいっ!カイくんはこれね!」
ヌナから渡された俺の衣装は白いYシャツに華やかなプリントのいたってシンプルな衣装だった。
着てみると俺の今のブロンドの髪と合ってて思っていたよりも似合っていた。
「うん!似合うよ!よかった~。」
「あ、ほんとだ。ジョンインかっこいいよ。」
隣で着替え終わったセフンが鏡越しで誉めてくれた。
「やっぱりギョンスくんに頼んで正解だったわね!ほんとに助かったわ~。」
「え?これ、ギョンスヒョンが?」
「そうなの、カイくんのだけ決まらなかったからギョンスくんに先週見立ててもらったの!」
ギョンスヒョンが?
すっごく嬉しくて何度も鏡に映る自分を見る。
シンプルなのに隣に立つセフンよりも目立って見える。
「あ、ジョンインいいな。すごく似合ってるよ!」
ジュンミョニヒョンも誉めてくれた。
「これ、普段にも着れそうですごくよさそう。」
「あ、それ、僕も思いました!ジョンイン、いいな。僕も着てみたい。」
セフンとジュンミョニヒョンに衣装を誉められると素直に嬉しい。とくにギョンスヒョンレパートリーのこの衣装は。
「あ、ジョンイナ。似合ってるよ。」
ギョンスヒョンは控え室に戻ってきて俺を見ると、満足そうに微笑んでいた。
俺は堪らずギョンスヒョンを抱きしめた。
「ヒョン、ありがとう!すっごく嬉しい!」
抱きしめていたからヒョンがどんな顔をしてたかはわからないけど、うんと一言だけ言うと俺の背中に腕をまわした。
ヒョンが照れたときの癖だ。
照れたときは顔を俺の胸に埋めて抱きつく。
「そろそろ行こうジョンイ……んっ!」
お礼のかわりにキスをする。
ギョンスヒョンはいつもなら「みんなの前で!」と怒るけど、今回は笑っていた。
あるshow time での俺たちの出番20分前の話し。
