「わぁあああああ!!!どいてどいてー!!!」
「えっ?」
突然の嵐のせいで、俺の世界はすっかり変わってしまった。
side B
っ!?
突然すぎて体が動かず、デカイものに正面衝突されて俺は下敷きになった。
「うわわっ!ごめん、大丈夫?!!」
男はすぐに起き上がると、俺を抱き上げて怪我がないか体をくるくる回しはじめた。
「おいっ!!はなせっ!」
男に抱き上げられるなんて一生の恥だ!
しかも、ここは公共の場!
じたばたと暴れると男は俺を降ろした。
「ごめんね、ほんとに、大丈夫?」
心配そうに眉を下げて俺を覗きこむ。
男の顔を見たとき、ひどく驚いたのを今でも覚えている。
低い声とは対象な愛嬌のある可愛らしい顔だちをしていた。
耳と身長がやたらデカイ奴だった。
「おいっ!チャニョル!なにしてんだよ?!遅れるだろ!!」
遠くで友だちが叫ぶ。
「わわっ?!今行く!ほんとに、ごめんね!」
デカイのは顔の前で手平を合わせて謝ると、友だちのもとへ走っていった。
「ベッキョン、大丈夫?」
一部始終を見ていたジョンデが声をかけてくる。
「大丈夫。ったく、前見てんのになんでぶつかるんだよ。」
「それはベッキョンがちっちゃいからかな?ww 」
「おいっ、こら、ジョンデ。お前も大して変わんないだろ!」
「ははっ!お互い様!だけど、スッゴいおっきい人だったね。まるで、嵐みたいだ。」
たしかに、無駄にデカかった。
たしか、友だちがチャニョルとかなんとか呼んでたな。
「さ、僕たちも行こっか!」
「ん。」
そのときは、まさか、嵐のなかに飛び込んでいるとは思わなかった。