後に末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の大管長となるジョセフ・フィールディング・スミスは、1969年に
「イエス・キリストは結婚していた。聖書にそう書いてある。」と言いました。
私は元モルモン教信者ですが、確かに日曜学校等で「イエスは結婚していた」という話を何度か耳にしました。それも、妻はマグダラのマリアだとか、いや、マルタとその姉妹マリアの両方だとか、いろいろです。ま、モルモン教は一夫多妻だから、イエスも当然そうなんだろうなと持ってました。
ジョセフ・フィールディング・スミスからイエスが結婚していたと直接教えられた人がいます。
アン・ワイルド(Anne Wilde)という女性です。
彼女が現役末日聖徒のリック・ベネット兄弟からインタビューを受けている動画を見つけました。
この中で、アンさんは以下のように話しています。
【アン・ワイルドさんの話】
「私の夫はオグデン・クラウトです。彼はたくさんのリサーチの末、『Jesus was married(イエスは結婚していた)』という本を書きました。
そしてそれを1969年2月に、当時12使徒会長だったジョセフ・フィールディング・スミス長老に見せに行きました。スミス長老がイエスは結婚していたと信じていると知っていたからです。当時はオフィスに行くと、すぐに12使徒に会えたんですよ。
スミス長老に本を見せて『この本についてのご感想は?』と尋ねると、
『もちろん、イエスは結婚していましたよ。まぎれもない事実です。新約聖書に彼の結婚式について書かれているでしょう?彼が結婚式で水をワインに変えたあの話です。』
と答えが返ってきました。
12使徒からの承諾を得たので、夫と私はこの本をプロボにあった“セブンティーズ ブックストア”という本屋に持って行き、置いてもらうことにしました。
この頃、多くのBYU(ユタ州にあるモルモン教が運営する大学)の宗教クラスの教授たち(ロドニー・ターナー“Rodney Turner”等)はイエスが結婚していたと信じていました。
しかし、教会のリーダーたちから“これについて決して話をしないように”と警告されてもいました。そこで学生からイエスの結婚について聞かれると、教授たちは『それについては教えてはいけないんだ。でも、本屋に行って“Jesus was married”という本を読むといいよ』と勧めたわけです。
そして口コミで広がり、本は飛ぶように売れました。
イエスは『私に従いなさい』と命じました。『従いなさい、でも結婚するな』とは命じていませんよね?
末日聖徒にとって、結婚はものすごく重要です。それなのに、イエス自らが結婚していなかった何てことがあるでしょうか?様々な記録や教えがイエスが結婚していたことを示しています。
●イエスはラーバイ(Rabbi)でした。(ラーバイとは日本語では“ラビ”で、ユダヤ教指導者のことです)ご存じのように、ラビは結婚している人だけがなれます。
●ジョセフ・スミスは2.3人の人に『あなたはイエス・キリストの直系の子孫です』と言ったと記録が残っています。
●ヨハネによる福音書2章「カナでの婚礼」はイエス自身の結婚式でした。後に大管長となる、末日聖徒の12使徒ジョセフ・フィールディング・スミスがそう断言しています。
他にも多くの事実がイエスが結婚していたことを示しています。
イエスには少なくとも3人の妻がいたとわかっています。マグダラのマリア、マルタとマリアの姉妹です。他にもいました。詳しくは、私の夫オグデン・クラウト(Ogden Kraut) の本を参照下さい。」
●私の感想
インタビューの最後に、リックさんが「イエスが多妻婚をしていた何て、キリスト教の世界では異端とみられますよね?」と尋ねますが、アンさんは「それでも良いですよ」ときっぱりと言ってます。いさぎよいですよね?
それに比べて、末日聖徒イエス・キリスト教会はイエスの結婚について立場をはっきりしていませんね。
自分たちの10代目預言者ジョセフ・フィールディング・スミスがはっきり「イエスは結婚していた」と言ったのにね。他の教会にどう思われようと、自分の信念を貫き通すという意思はないようです。それなのに、うちの教会こそが唯一真だと主張している。全く一貫性に欠けますね。カッコ悪いです。
モルモン教会に集っていた時、「イエスが復活して一番初めに現れたのはマグダラのマリアだった、つまり彼女がイエスの妻だったんだ、生き返って初めに一番好きな人に現れるだろうから」と習いました。
確かに、モルモン教ではイエスは結婚しているはずです。結婚しないと神になって最高の幸福を得ることはできないのだから。
他のキリスト教は結婚しないと天国へ行けない、とは教えていないから、イエスは独身でもOK。問題ありません。
更に、モルモン教では教祖ジョセフには40人もの妻がいたし、多妻婚の教えはジョセフや妻たちにとってものすごく、ものすご~く苦しい戒めだったと教会が言ってるので、イエスにも、もっとたくさんの妻がいたんでしょう。そうじゃないと、つじつまが合わない。だって、イエスはこの世のどの人よりも大きな苦しみを経験したはずだから。
こういう理由で、末日聖徒イエス・キリスト教会の中では、イエスにはマルタやマリアやマグダラのマリアという妻がいた、という話が広まっているのでしょう。
私はもうクリスチャンではありませんが、個人的には、イエスが数人の女性とラブラブやってるのは考えたくないです。気持ち悪いです。クリスマスは、やはり人を助ける精神とか、友達や家族と絆を強めるという清らかなイメージであってほしいです。