ユタ州は、「投資詐欺の多い州」トップ5だって知ってた?

●2010年、FBIは、「ソルトレーク・シティはポンジー・スキームが盛んなトップ5に入る」と報告した。調査会社である “Marquet International”は、ユタ州を「ポンジー傾向比率」においてナンバー5に位置付けた。2002年から329件のポンジー・スキームを集めた。2010年、ユタ州セキュリティ不正専門調査団がポンジー・スキームを含む全てのタイプの金融詐欺に対する申し立てを調査した。そして4400人もの投資者が疑わしい投資話やビジネスのえじきになり、 $1.4 billion(14億ドル)もの損失を被ったことが判明した。
 ポンジー・スキームのほとんどの被害者は老人だ。しかし、ユタ州では、金融詐欺の半分が末日聖徒イエス・キリスト教会のメンバーをターゲットとしている。
(Greg Smith and Associates, Criminal Defense Attorneys
Salt Lake City (Murray) - Orem - Paysonの記事から)

ポンジー・スキームとは、投資詐欺のことです。ひとことで言ってしまえば「自転車操業的な詐欺の手口」。高いリターンをうたい文句に投資者を集めますが、実際は何のビジネスもしないで、新しい投資者から集めたお金の中から古い投資者にリターンを払い続けるというもの。実際は何も儲けていないので、いつか返済がとどこおる。その前に詐欺師は集めた金を持って逃げてしまうのです。投資者が預けたお金はほとんどの場合、戻ってきません。 
 モルモン教会について調べていたらこんな詐欺行為まで出てくるとは思わなかったのでショックです。唯一真の宗教といいながらなぜ?

 

 


ユタ州での投資詐欺は多くが末日聖徒イエス・キリスト教会が関わっている、とユタで弁護士をしているマーク・パグスリー氏が話している動画を見つけたのでこれを日本語で要約します。


●ユタ州で詐欺が多くはびこる理由
①モルモンの文化は、人を信頼する傾向がある。
②ステイク会長、監督、日曜学校の教師など、教会で重要な地位についている人は神から召されているのだから、彼らを信じる傾向にある。
 サギ師は、よくこれらの肩書を利用する。ときには、12使徒や70人に自分の会社の株を勝手にプレゼントとして送り、「ほら、12使徒たちも買っているから大丈夫」ともちかける。
③投資の内容よりも人柄を重要視する。これは、モルモン書やモルモン教会が真実かどうか、歴史や事実、教えの真実性を調べて知るのではなく、良い気持ちを感じたから真実だ、と主張するモルモンのやり方からきている。
④ユタでは、7割の人口がモルモンである。教会に行くだけで、儲け話が口コミでどんどん広まり、被害が大きくなる。子だくさんの家族が多く、経済的にお金を増やす必要がある家族が多いのもサギにひっかかる要因かもしれない。
⑤モルモン教会の教え自体が、「十分の一を払えば経済的にも恵まれる」、とうたっている。それを信じて投資してしまう傾向にある。これは他の宗教ではあまりみられない。普通のキリスト教は信仰があってもこの世で経済的に恵まれるとは教えない。
⑥自分が間違っていることをなかなか認めないのがモルモンである。たとえ教会の教えに矛盾があっても、指導者のしていることに問題があっても、それを正そうとしない傾向にある。

パグスリー氏が挙げる、実際にあったサギ事件の数々。

●Val Southwick(バル・サウスウィック)
サウスウィックはユタ州オグデンのモルモン不動産サギ師。
彼はステイク会長だった、とウソをつき、信頼を得る為に神殿推薦状を投資者に見せた。会社のオフィスのデスクにリアホナと金版のレプリカを置き、壁にはいくつもの神殿の絵や12使徒や70人たちと一緒に撮った写真を飾った。
 毎週金曜日に宣教師を呼び、仕事仲間たちと共に祈るように頼んだ。投資家たちがこれを見て信頼するように仕向けた。宣教師たちにはおこづかいとして50~100ドルを渡した。
 ポルシェやフェラーリを買って教会へ乗って行った。若い男性の活動がある度にケイタリングを雇った。このようにリッチな生活を見せつけて投資者を増やした。2008年に起訴された。彼の下で働いた監督も起訴された。

●Jeffrey Mowen(ジェフリー・モーウェン)
ニュージーランドにある銀行にお金がある、月に30%のリターンをうたって投資者を募り、4000万ドルを騙し取った。窃盗などの犯罪歴あり。
 彼は、教会の友達に声をかけ、家を提供して友達を呼んできてくれれば報酬をあげるよ、と言って教会のディレクトリーも使用して人を集め、金を騙し取った。彼はバウンティフルの家にたくさんのクラシック・カーを買っていた。パナマに逃げたが、捕まってアメリカへ連れ戻された。2009年に起訴された。
 教会では熱心なモルモンだと有名だった。

●Roger Bliss(ロージャー・ブリス)
ユタのバウンティフルの人間。320万ドルをあっという間に集めた。年間100%~300%のリターンをうたって金を集めた。
 日計取引(証券を購入してその日のうちに売却すること)で「りんごの株」を手掛けている、とうたい、誰も知らない独自の方法で儲けを出している、と言って投資家を納得させた。彼は、免許を持っていないことをほのめかしていたにも関わらず、誰も彼との契約を怪しんだり、何をしているのか調べようとしなかった。捕まった時、彼は口座に32000ドルしか持っていなかった。2015年に起訴された。

●Dean Udy(ディーン・ユーディ)
ステイク会長であり、regional representative(地域代表)だった。その地位を利用してモルモン信者たちを信用させ、12年間投資サギを行い、1500人をだました。被害額は2000万ドルにのぼる。2010年に起訴された。

●Travis Wright –(トラビス・ライト)
ソルトレーク・シティのモルモンのカブスカウトマスターだった。スカウトの活動で贅沢な活動をたくさん行った。25%のリターンをうたってWaterford Funding(ウォーターフォード・ファンド)を立ち上げ、 175人から14500万ドルを騙し取った。トラビスは騙し取った鐘で銃のコレクションを集め、ハンティングに行き、自宅のインテリアを贅沢な物で飾った。2010年に起訴された。

●Shane Baldwin (シェーン・バドウィン)
「もし君の家に友達を読んでくれたらその人と祈ってビジネスの話をしよう。そうしてくれたらお礼をするよ。」と言い、教会の知り合いの人間関係を利用して月に5~10%のリターンをうたって金を集めた。外国為替のサギを行った。2011年に起訴された。

●Shawn Merriman(ショーン・メリマン)
モルモンの監督でサギ師。美術品を集めていたことで有名。教会に、だまし取った金で買った絵のコレクションを置いたりして、更に多くの投資者を集めた。彼のコレクションは、「信仰のルネッサン」と呼ばれた。7~10%という高いリターンをうたい、15年間で70人の友人から2000万ドルを騙し取った。
 その金でヨーロッパやサファリに旅行に行き、ベーブルースなどの選手の野球ボール、クラシック・カーのコレクションを手に入れた。

「私はこの事業をし、成功することによって十分の一をたくさん教会に捧げて神の御業を推し進める手助けが出来るんです。素晴らしいです。」と涙を流して証するサギ師がいたという。

●Joseph Smith(ジョセフ・スミス)
パグスリー氏は、最後にモルモン教祖のジョセフを挙げています。
 ジョセフは主の生の声を聞いた、と言って「カートランドアンチバンク」という銀行を立ち上げた。しかし、これは許可の下りていない違法な銀行だった。
 彼はイザヤ書の聖句と神の予言者という肩書を使って多くの投資者を集めた。しかし、10か月後に倒産、200人が全財産を失い、ジョセフは17回以上も起訴された。
 ポンジー・スキームという名前が生まれるずっと前のジョセフの時代から、モルモンのサギは始まっていた。

 


●私の感想
 ステイク会長がなんだ?と日本人は思うかもしれないが、ユタでステイク会長というのは結構すごい肩書なんです。私がユタでホームステイしていた時、ステイクの大会がありました。そこでたまたま、隣におじいさんが来て話しかけてきたので話していたら、後で友達が来て、「あなたが話していたの、ステイク会長よ!」と、まるですごいことのように騒ぎ立てたのです。
 
 なぜだか、ステイク会長の多くが金持ちで、とっぴょうしもない大きな家に住んでいました。門があって、そこから何十メートルも歩かないと家に着かない、そして家はでっかいお屋敷です!

 監督も、金持ちではないけど一目置かれている存在でした。人によっては、非常に威張っていました。

 だから、彼らの名前が出ると信用してしまうのですね。

パグスリー氏が、もしモルモン教会が唯一真の教会なら、こんなにお互いにサギ師がはびこるだろうか?又、重要な教会の地位についている人たちがサギ師であることについて、「もしモルモンの大管長や12使徒に本当に悪を見破る力があるなら、このようなサギ師を高い地位に召すだろうか?」と指摘しています。本当に、モルモンの人でこれを読んでいる人がいたら、考えてみて下さい。そして、モルモンだからと言ってうまい話しにひっかからないようにしてください。