メリッサ・ロット(スミス・バーンハイゼル・ウィルズ)
ジョセフ・スミスの32人番目の妻

父親が教会の重要な地位についていた。ジョセフの家に住み、彼の子供たちと一緒に学校へ通った。19歳で38歳のジョセフと結婚、その後すごく年上の男性の7番目の妻になるが、離婚、3番目の夫との間に7人の子供を産んだ。4人を亡くし、夫は事故死する。
 後にジョセフ・スミス三世が訪ねてきて「あなたは本当に父ジョセフの妻だったのですか?」と聞かれ、「全ての面において夫婦でした」と答えている。他の時にも、ジョセフとの結婚は永遠とこの世の両方の結婚だった、と証言している。ジョセフとの結婚は肉体関係を含むものだったと十分言える。

●おいたち
1824年1月9日生まれ。11人兄弟の長女。26歳の父コーネリアスは農夫、19歳の母パメラは農場を手伝いながら学校の先生もした。

 両親がモルモンに改宗、自分も13歳でバプテスマを受ける。

●カートランドアンチバンク安全協会
1837年、ジョセフ・スミスの建てたこの銀行に父親が投資する。恐らく、銀行の破たんにより、いくらか被害を被ったことだろう。

●父は教会で大きな責任を任され始める
ミズーリへ引越し、父コーネリアスは「ダナイト(モルモンの軍隊)」の指導者の一人に任命された。
 
【ダナイト(Danite)】
秘密に結成されたモルモン信者からなる自警団だったらしいです。モルモンに忠誠を誓った人の集まりでした。でも、暴力沙汰なども起こしたみたいですね。

 のちに父コーネリアスは 「COUNCIL OF FIFTY」の一員に選ばれる。このカウンセル・オブ・フィフティは、ジョセフ・スミスが結成した組織で、神政王国の始まり、つまり、国の政府でなくて神が世界を治めるだろう、その為の試みの組織ということです。これも秘密の組織でした。
 組織のメンバーたちはそれぞれアサイメントを与えられました。羊を購入したり、土地を買ったり、ユタ湖での漁業を始めたり、でも、ブリガム・ヤングとヒーバー・キンボールは特別な特権を与えられました。ブリガムは、温泉を任されたりと、常に楽なアサイメントを取りました。これに反抗したメンバーたちもいたそうですが、例によって破門されました。

モルモン書には秘密結社が出てきます。教会はこのような組織は悪いものだ、と教えているのに、ジョセフ・スミスは秘密に行うことが好きですよね、多妻婚も絶対に秘密だったし、ダナイトやカウンセル・オブ・フィフティも秘密組織です。
 
●予言者スミスとの結婚
18歳の時にエマの手伝いをするためにスミス家に住んでいた。ジョセフ・スミス三世は、メリッサのことを「背が高く、黒髪で、歌がとてもうまかった」と書いている。

 エライザ・スノー、エルビラ・ホームズ、エリザベス・ホイットニー、エリザベス・ダーフィーがメリッサの家に来たと言う記述が残っている。恐らく、みんなでメリッサに多妻婚のことを教えたのだろう。

1843年9月20日、予言者ジョセフと結婚。ハイラム・スミスが式を執り行った。メリッサの両親は証人として出席した。後に、68歳でメリッサは、「結婚はこの世と永遠との両方を兼ねていました」と証言している。

メリッサとジョセフの結婚は秘密のものだった。彼女は TEMPLE LOT CASE 
において、次のように証言している。
 「私は彼と一緒に教会に行ったことはありません。彼が生きている間、一緒にいる所を決して人前で見られることはありませんでした。」

 彼女はジョセフのとの結婚の後も、スミス家に住み、学校に通い、スミス家の子供たち、ジョセフ・フレデリック・アレキサンダーを彼女と同じ学校へ連れて行った。
 その後、自分の家族の元へ帰った。

父コーネリアスはノーブー神殿で妻パメラと結び固められた。そして同時に3人の女性とも結び固められた。エリザベス・ダーフィー(彼女はジョセフの12番目の妻、だからコーネリアスはジョセフの代理夫として彼女と結婚した)、レベッカ・フォセット、チャリティ・ディッケンソンである。後にあと二人の妻をめとる。

●2回目の結婚
 1846年2月8日にメリッサも神殿でスミスに永遠に結び固められた。代理夫となったのは医者のジョン・バーンハイゼルだった。彼とはこの世だけの結婚だった。
 この時、ジョンは47歳。22歳のメリッサは彼の7番目、最後の妻だった。

 ジョンはモルモンに改宗した後、ジョセフと親しくなり、ジョセフのマンション・ハウスに住んでいた。彼は11人の既に死亡していた女性と結び固められた。

 メリッサとジョンの結婚がどんなものだったのか記録は残っていないが、3年も続かなかった。
ヒーバー・C・キンボールの率いる隊と共にユタへ旅をした。

●3回目の結婚
1849年5月13日、アイラ・ウィルズと結婚。メリッサ25歳、アイラは37歳。彼は19歳でバプテスマを受けた。ウィルフォード・ウッドラフの友達。ジョセフ・スミス3世はアイラのことを「優しく話す、働き者で家のことを全てやってくれた、親切で素晴らしい人だ」と書き残している。
 カリフォルニアで金を見つけたのも彼だった。

夫とリーハイに移って住んだ。7人子供を産む。

 1853年にインディアンとの間に「WALKER WAR」という戦争が起きた。

夫アイラは45歳で、16歳の少女ナオミと結婚したが、長く続かなった。2人は離婚し、ナオミは違う男性と再婚した。

●夫と息子を失う
氷の張った河で、夫と9歳の息子が溺れ死んでいるのを見つける。幌馬車がひっくりかえり、下敷きになったのだ。その後、19歳の長男も死に、残った幼い子供たちを育てていくのは大変だっただろう。
 扶助協会では高い地位についていたとの記録がある。

●ジョセフ・スミス三世との再会
1885年10月20日、昔一緒にマンション・ハウスに住んでいたジョセフ・スミス三世がやってきた。メリッサは、自分がジョセフ・スミスの妻だったと息子ジョセフに伝えた。
 なぜなら、彼は、父ジョセフが一夫多妻を行っていなかったと母エマに教えられ、それを信じていたからだ。

●テンプル・ロットケース
1892年、メリッサは68歳で、自分がジョセフの妻であると証言した。

1898年7月13日死亡。

●私の感想
又離婚が出てきました。神殿で結婚式したのに離婚が多いんですね。神聖な結び固めの儀式のはずなのに、随分と軽くあしらっているんですね。
それにしても、この本の著者のコンプトン氏も何度も言うように、メリッサと3番目の夫は一生を共にして愛し合い、子供を7人も産んで二人で育てたのに、来世では違う人と一緒になるし、子供たちはジョセフのものになるってのは、どんな気持ちなんでしょう?
どうしてもつじつまが合わないと思うのですが。