美容室でのひとときー名前1つで3000万円?!


先日、髪を染めに駅前の美容室に行きました。ここではハーブの入った染め粉で1980円でやってくれます。
 「今日は静かに読書するぞ」と電子本を持って行きました。名前を呼ばれて椅子に座り、電子本を開いて読み始めました。
 
すると、後ろから、熟年のスタッフが「それ、全部英語なの?何読んでるの?」と聞いてきたので、「実は悪い宗教に入ってたんだけど脱会したからそれについての本を読んでるんです。」と説明しました。
「In Sacred Loneliness(聖なる孤独の中で)」という本です。
 これはモルモン教の教祖ジョセフ・スミスの34人の妻たちの人生について書かれたものです。トット・コンプトンという、現役モルモン歴史家が著者で、実際に妻たちやその友達、しんせき等が残した日記や手紙をもとに構成された、素晴らしいい本です。
 
さて、私はあんまり今日は宗教について語るつもりはなかったので、それを読み始めたのですが、話しかけてきたスタッフが、
「私の母ね、宗教にだまされて名前を買わされて3000万円払ったのよ!」と言ったから、
 「3000万円!?
と、私が叫んじゃったもんで、他のお客さんも話に加わって、大ディスカッションとなりました。

「そこの教祖さんの次に偉いという名前をもらっったそうなのよ。だから3000万円ですって!その後、土地も財産も全部この宗教団体に取られそうになったから、私、そこを訴えたのよ!
そして勝ったわ!もう、20年も前の話だけどね。」

「死にそうな年寄りを見つけて財産を奪おうってやつね、みんな同じなのねー。」

「裁判で勝ったんですか?すごい!頑張りましたねー。私が入ってた宗教も、税金を引く前の全収入の10%を払うんです。布教活動には一人200万円自腹です。」

「何ていう名前の宗教なの?ここら辺にあるの?」


それでかいつまんで説明しました。教祖が最初の妻に内緒で次々と女性たちを妻にしたこと、イエス・キリストの声を聞いて銀行を建てたが、すぐに倒産し、投資した信者たち200人が全財産を失ったこと、黒人に差別をしてきたこと、男尊女卑であること、虐殺事件を起こしたこと、信者たちの血税でアメリカにきらびやかなショッピングモールを建てたこと、信者が性的暴行やいじめを教会の中で受けても、これをもみ消してきたこと、そして最近信者たちが教会を訴えていること、などなど。

「ひどい宗教だわ。」「結局お金でしょ?」「そういう宗教多いわよねー」

私の髪を染めてくれたスタッフは若い人だったんですが、最後にシャンプーとブローしてくれている時に、こんな話をしてくれました。

「オウム真理教ってありましたよね?あの教祖の末っ子の娘さんがテレビに出てるのを見たんですけど、小さい時から小学校も行かせてもらえなかったんですって。自分は行きたかったんだけど、教育委員会にだめだって言われたみたいですよ。
 あれだけ父親が殺人事件起こしたから仕方がないですよね。
 大学になって、やっと彼女を受け入れてくれる所が見つかったらしいです。
インタビューで、
『結婚はなさらないんですか?』
と聞かれて、彼女は
『相手の方に迷惑がかかるので、結婚はしません。』
と答えてましたよ。かわいそうに。」

親のせいで、子供がひどい目に遭うのだな、とかわいそうでした。
末っ子だったから、洗脳から解けて普通になれたけど、お姉さんたちは心が壊れてしまったそうです。

でも、モルモン教の信者たちだって、メドウ山の虐殺事件を起こし、120人もの罪なき人たちを殺しましたからね。そしてそれをインディアンのせいにしたのですから、もっと悪いですね。

この若いスタッフに、
「なんか宗教の話ばっかりになってしまってすみません。」
と言ったら、
「いいえ、とても勉強になりました。ありがとうございます。お金を取る宗教には気を付けます。」
と言ってもらえてホッとしました。

どこへ行ってもこういう話になってしまうんだけど、これもご縁なのかなーと思いました。