ジョセフ・スミスの17番目の妻


多妻婚の原則に従って生きた妻たちは、しばしば隔離されたように感じ、自らの兄弟たちや子供たちに助けや交わり、家のきりもりを求めるしかなかったのである。
アグネス・クールバースとデルセナ・ジョンソンと同様、未亡人でジョセフと結婚した。
夫ビンソンとの間に7人の子供がいた。ビンソンはジョセフの親友であり、監督であり、ジョセフのボディガードだった。その為、ジョセフはビンソンと結び固められたいが為に、ビンソンの死後一か月にも経たないうちにマーサと結婚したと思われる。マーサ37歳、ジョセフ36歳。ビンソンは多妻婚に踏み切り、未亡人のフィリンダ・メリックと結婚した。マーサは文句を言わなかった。
 ジョセフの死後はヒーバーの妻となり、一人子供を産んだ。。しかし、ほとんど夫は不在。
長女のアルミラはシルベスターという、多妻婚に反対の男性と密かに結婚、教会を離れた。マーサは96歳まで生きた。

生い立ち
●1805年、3月17日生まれ。9人兄弟の末っ子。18歳の時に父親を失った。
●1826年7月26日、21歳でビンソン・ナイト(21歳)と結婚。ビンソンは農場を経営していた。羊、豚、ガチョウ等をを育てた。7人の子供が生まれた。後にビンソンはもう一人の妻をめとった。

モルモン教会への改宗
●1833年にマーサの4人の兄弟と母親がモルモン教会に改宗した。
●1833年にジョセフ・スミスと会い、長生きするという祝福を受けた。その時、マーサはひどい病気で、医者からあと5年の命だ、と言われていた。
 ジョセフはナイト家に少し住んだ。ビンソンはバプテスマを受け、犠牲を払い、家と農場を売ってカートランドへ引っ越した。
●1835年6月24日、ビンソンは自分の母親にこのような手紙を書いている。
「お母さんは自分の通っている教会の牧師たちは神聖な人たちだと思っているでしょうが、私は知っています、お母さんの教会の基は神の目から見てにくむべきものである、と。」
●夫ビンソンはシドニー・リグドンと一緒に文法の学校を教えた。
ビンソンはモルモンの監督だった。ビンソンはスミス家と仲が良かった。後にジョセフのボディガードになった。
●D&C124章でビンソン・ナイトの名がでてくる。彼は監督に召され、イギリスから移住してきた改宗者たちの面倒を見たと思われる。

夫が多妻婚を始める
●ビンソンはジョセフに説得されて、もう一人の妻をめとった。フィリンダ・メリック。フィリンダは未亡人。
マーサはある日の夕方、家の後ろのぶどうの木陰に座っていた。夫のビンソンが
 かごを持って表れ、最近夫を亡くして未亡人となったフィリンダ・メリックに
 果物と野菜を届けてきた、と言った。
 そして、ビンソンは、一夫多妻を行うようにと言われたことをマーサに話した。
もし一夫多妻をしなければならないのなら、このメリック姉妹こそ、自分が最も助けてあげられる人だと思う、と言った。
 マーサは 「言いたいことはそれだけ?」と言った。
こうしてビンソンはフィリンダ・メリックと結び固められた。
●ビンソンはジョセフ・スミスと共にフリーメーソンのメンバーとなった。その中で地位も上がった。
夫の死、予言者ジョセフとの結婚
●ビンソンは病気で死亡。マーサは家の一階部分を人に貸し、縫物をして生計を立てた。
●1842年8月、ビンソンが死んでから一か月も経たないうちに、ジョセフ・スミスと結婚した。マーサは37歳、ジョセフは36歳。
●娘アルミラは、死んだお父さんのビンソンと一緒に働いていたブリキ職人のシルベスター・ストッダードの所で縫物の仕事をし始めた。シルベスターは多妻婚に猛烈に反対していた。アルミラにもこんな教えは拒否するようにと勧めた。

娘のアルミラも求婚される
●ジョセフ・スミスはマーサに、マーサの娘アルミラをハイラム・スミスの多妻婚の妻に迎えたいと言った。マーサはアルミラに話したが、アルミラはこれを拒否した。
●ジョセフの死後、マーサはジョセフの髪の一房をロケットに入れて大事に持ち歩いたという。

ヒーバー・C・キンボールと結婚
●マーサは39歳でヒーバー・C・キンボール(43歳)と結婚した。ヒーバーの子供を一人産んだが、ほとんどヒーバーとは一緒に過ごさなかった。
娘アルミラは多妻婚に反対し、教会を去る
●17歳の娘、アルミラはシルベスター・ストッダードと結婚、でももマーサに反対されるとわかっていたので、秘密にしていた。アルミラは母マーサの家に寄って、
さようならをした。アルミラとシルベスターは教会を去った。
●1846年、ノーブー神殿でジョセフ・スミスと永遠の結び固めをする。ヒーバーはこの世だけの結び固め。マーサはビンソンを選ばず、ジョセフを永遠のパートナーとして選んだ。
●ユタへの苦しい旅をした。パティ・セッションズと仲良しだった。
●モルモンを去った娘、アルミラは夫シルベスターが死んで、再婚した。そしてアルミラはカートランドからユタのマーサに手紙を書くようになる。

寂しい生活
●-1859年7月19日、マーサが娘のアダリンに書いた手紙ー
「、、、私は浮浪者になった気分です、だってこの世に自分の家もないんですもの。 どこへ行って何をすればいいのかわからない。誰にも助けを求められない、主に頼むしかないの。
  主が私の必要なものを用意してくださるでしょう。だから、主を信頼して絶望しないようにするわ。」
●マーサは多妻婚の中にあって、夫ヒーバーはいつもいなくてこのように辛い思いをしていた。一つの家を他の3人の妻たちとシェアするのは辛かった。
神殿でたくさん奉仕した。
●96歳で死亡。老衰だった。


私の感想
多妻婚していると、やはり夫が不在なので、満たされないのでしょうね。かわいそう。娘さんのアルミラは教会をやめて多妻婚に巻き込まれなくて済んだので、賢かったとし、幸せだったと思います。
96歳まで生きたとは驚きです!
ジョセフ・スミスもこのことではまぐれ当たりしたみたいですね。