モルモン教会の黒人への差別
1978年になるまで、モルモン教会では、黒人に神権が与えられませんでした。
バプテスマを受けて10分の1は払いましたが、リーダーにはなれず、聖餐のパンや水をパスすることは許されませんでした。神殿にも入れませんでした。
 理由は2つ。一つは、黒人はカインののろいがかけられているから。
2つ、前世でのルシフェルとイエスとの闘いで、イエスの側にはついたが、勇敢にたたかわなかった霊だったから。
そしてこれは、神からの命令だったのです。

私が小学生の時、教会で父が「公式の宣言」という、茶色っぽい大きな紙をもらってきました。全ての家族でこれを読むように、ということでした。内容は「これからは全てのふさわしい男性に神権を与える」でしたが、黒人という名前は一言も書いてありませんでした。だから、
「え?今まで、ふさわしい人でも神権を与えられていなかったわけ?」
と、私は変に思ったのを覚えています。

その後、黒人のことだとわかって父に質問すると、「前世で神とサタンが戦った時、勇敢に戦わなかった人たちが黒人として生まれてきた」と教わりました。

当時は黒人に会ったこともなかったし、周りに黒人がいなかったので、あまり考えませんでした。

しかし、ニューヨークで多くの黒人と会って、自分の子供たちが学校で黒人差別に間据える本を読むように宿題を出され、それを一緒に読むうちに、モルモン教会が黒人にした差別について考えるようになりました。

モルモン教会の黒人に対する150年にわたる差別について事例を挙げてみました

●【高価なる真珠 モーセの書7章8節】
「見よ、主がその土地を熱でのろうだろう。そして永遠に何も育たなくなるだろう。カナンの子供たちは皆、黒い肌を持ち、全ての人々の中でさげすまれるだろう。」
 
●ジョセフ・スミスの言葉【1838年7月 長老のジャーナルから】
13番目の質問 「モルモンは奴隷廃止論者なのか?」
いいや、偽善売教から人々を救うか、サタンの力から牧師を救うのでなければ、廃止とはいえない。しかし、我々は、ニグロを開放することが正しいとは信じていない。

●予言者ブリガム・ヤングの言葉 【 1852年 2月5日 ジャーナル・オフ・ディスコース ボリューム2 142~143ページ】
アダムの全ての他の子供たちが神権を持ち、世界のはしから贖われて神の王国に入り、復活したら、そうしたら、カインとその子孫たちののろいを取り去る時が来る。

●予言者ブリガム・ヤング 1855年5月4日
私が話すことから私が奴隷制度に反対していると思わないでほしい。反対などしていない!ニグロはのろわれているのだ。(The negro is damned, )
そして神がハムからのろいを取り除くまで自分の主人に仕えるべきだ。
Prophet Brigham Young, New York Herald, May 4, 1855, as cited in Dialogue: A Journal of Mormon Thought, Spring 1973, p. 56

●ブリガム・ヤングの言葉【1859年10月9日 タバナクルでのカンファレンスにて】
「カインは弟を殺した。主はカインにしるしをつけた、低い鼻と黒い肌がそれである。
 洪水の後へと人類をたどってみよう、もう一つののろいが同じ人種にかけられた。
ー彼らはしもべの中のしもべになる。のろいによって黒い肌の人種はしもべの中のしもべになる。これは呪いが取り除かれるまで続くだろう。奴隷解放者たちはどうすることも出来ない。どれだけの間、彼らはこのひどいのろいを耐え忍ばなければならないのか?
 アダムの他の全ての子孫が神権を受け取り、その約束とそこからくる祝福にあずかるまでである。それまではカインの子孫たちは神権を授かることは出来ない、、。」
【 Prophet Brigham Young, Journal of Discourses, v. 7, pp. 290-291;】 

●ブリガム・ヤングの言葉 1863年
アフリカの人種についての神の立法を教えようか?
もし、選ばれた種に属する白人男性がその血をカインの血と混ぜたなら、その罪は、
即座に 「死」である。これは常にそうである。
【ブリガム。ヤング 1863年3月8日 タバナクルでのカンファレンスにて】
ジャーナル・オフ・ディスコース 10;109

●予言者ジョン・テーラーの言葉 【rophet John Taylor, Journal of Discourses, v. 22, p. 304;】

洪水の後、カインにかけられたのろいはハムの妻を通して続くと教えられた。
なぜか?なぜなら、神と同様、悪魔もこの世に自分を提示するものが必要だったからだ。そして人は自由意志を使って真実を受け入れるか、拒否するか自分で選ぶ道を与えられた、、、。

And after the flood we are told that the curse that had been pronounced upon Cain was continued through Ham's wife, as he had married a wife of that seed. And why did it pass through the flood? Because it was necessary that the devil should have a representation upon the earth as well as God; and that man should be a free agent to act for himself, and that all men might have the opportunity of receiving or rejecting the truth, and be governed by it or not according to their wishes and abide the result; and that those who would be able to associate with the Gods in the eternal worlds. It is the same eternal programme. God knew it and Adam knew it.

●12使徒 ジョージ・リチャードGeorge F. Richards の言葉
ニグロは運の悪い人たちだ。黒い肌を与えられたのだから。しかし、それよりも、日の栄の王国で完全なる栄光につくために必要な神殿の儀式を行えないことの方がもっと不利なことだ。
【Apostle George F. Richards, Conference Report, April 1939, p. 58;】

●ジョージ・アルバート・スミスの言葉 1939年4月
私たちはミカエルとその天使たちが戦ったこと、私たちもそこでキリストと共に戦ったと聞かされた。、、、、そうして戦った子供たちを神がニグロのような人種にしてこの世におくるなど、考えられない。もし彼らが天での世界で勇敢に戦ったとしたら、である。
George Albert Smith, Conference Reports, CR April 1939, Second Day‑Morning Meeting

●予言者 ジョセフ・F・スミスの言葉の要約
なぜ黒人が不利な立場で生まれて来たのか、反対に白人が優位な立場で生まれて来たのかには理由がある。、、、、天上で戦いがあった時、サタンにつくか、神につくかで霊たちは分かれた。天で全てに忠実だった者はこの世で 大きな祝福を受ける
。ニグロも明らかに報いを受けている。
Prophet Joseph Fielding Smith, Doctrines of Salvation, pp.p. 61; 65-66; online at Link is here.

●12使徒マーク・E・ピーターソン 1954年
彼がイノクに、カインの子孫である黒人に福音を伝えないようにと言った時、主は人種分離に携わることとなった。
私は、主がニグロを分けたのだと思う。だから、その人種分離を誰が変えることが出来ようか?
前世での行いによってどんな世界に生まれて来るのかが決まるのでは?
他に理由が考えられるだろうか?神の子供たちの一部は最も暗いアフリカに生まれ、又は洪水だらけの中国に生まれ、又はインドで飢えに苦しんでいる、私たちはアメリカに生まれたというのに。
 この現実を見ると、前世での行いによってどこに生まれるか決まると結論づけるしかない。中國じんに生まれる者があれば、日本人に生まれる者もいる。末日聖徒として生まれる者もいる。
 主が設立した罪人と聖徒へ対するポリシーが働き、報酬と罰が下るのである。
神の大きないつくしみについて少し考えてみよう。中国人、中国に生まれ、黒い肌を持ち、多くのハンディキャップを背負い、ほんの少しのチャンスが与えられている。
しかし、福音を喜んで受け入れる中国人へ神のあわれみについて考えてみよう。
 過去に彼らがどんなことをしたから中国人に生まれたとしても、もしこの世で福音を受け入れてそれに従って生きれば、神権をもらうことが出来る。神殿に行って儀式をし昇栄出来る。神のあわれみは何と偉大なことか!
 ニグロについて考えてみよう。前世では一番黒いアフリカ人として主がこの世に送っても仕方がないと思ったこのニグロは、もし、福音を聞いて受け入れれば多くの祝福を受けることが出来るのだ。
 前世でどんなふさわしくないことを行ったとしても、主は喜んでバプテスマと聖霊の賜物を下さるのだ。もしこのニグロが一生信仰を持ち続けるなら、日の栄に入ることが出来るのだ。彼はそこへしもべとして(as a servant)行く、しかしそれでも、日の栄の栄光を得ることが出来るのだ。
 私たちはニグロと結婚してはならない。なぜって?もし私がニグロと結婚すれば、子供たちは神権の祝福にあずかることが出来ない。自分の子供たちにそれを望むと?もし、ニグロの血が一滴でも私の子供に受けつかれていたら、彼らはのろいを受けてしまう。
 だから、ニグロとの結婚など、議論するにも及ばない、そうだろう?
今は私たちはニグロに対して寛大だ。もし彼らにお金があってキャディラック(高級車)を乗り回すことが出来るなら、そうさせてあげよう。
 でも、彼らは彼らの社会の中で楽しんでいればよい。神が分けたものを、人が混ぜることは出来ない。
 
Apostle Mark E. Peterson, "Race Problems – As They Affect the Church," Address given at the Convention of Teachers of Religion on the College Level, delivered at BYU, August 27, 1954.

●予言者ジョセフ・F・スミスの言葉 1963年
教会のリーダーたちが黒人に神権を与えないのではない。予言者ジョセフ・スミスが与えなかったのでもない。、、、主が与えるなと命じたのだ。
It is not the authorities of the Church who have placed a restriction on him [the black man] regarding the holding of the Priesthood. It was not the Prophet Joseph Smith.... It was the Lord!

【Prophet Joseph Fielding Smith, quoted in John J. Stewart, The Glory of Mormonism, 1963, p. 154】

●ジョセフ・F・スミスの言葉
ニグロに関して言えば、私は彼らを厳しい法によってニグロ同士の種族の中だけで付き合うように制限しよう。
【ジョセフ・スミスの教え 270 教会歴史VOL5;218】

●12使徒ブルース・R・マッコンキーの言葉 【モルモンの原則から】
ニグロはこの世では神権を与えられない。全能なる父なる神からの力を委任されることは、どんな場合でも許されない。
福音のメッセージは彼らには与えられない。、、、ニグロは他の人種が受けることのできる霊的な祝福に関しては同じようには与えられていないのだ。、、、
Negroes in this life are denied the priesthood; under no circumstances can they hold this delegation of authority from the Almighty. The gospel message of salvation is not carried affirmatively to them.... Negroes are not equal with other races where the receipt of certain spiritual blessings are concerned...
【Apostle Bruce R. McConkie, Mormon Doctrine, p. 477, 1958;】


●12使徒 エルドン・タナー
教会はニグロに関しての原則を変えるつもりは毛頭ない。オリジナルのクリスチャンの教会では、今までニグロが神権を保持したことなどなかった。
 これを変える為に私たちに出来ることはない。これは神の法律なのだから。
The Church has no intention of changing its doctrine on the Negro. Throughout the history of the original Christian church, the Negro never held the priesthood. There's really nothing we can do to change this. It's a law of God.'
【Apostle N. Eldon Tanner, Seattle Magazine, Dec. 1967, p. 60;】

●エズラ・タフト・ベンソンの言葉【カンファレンスの説教1967年10月】
なぜ神が神権を女性とカインの子孫に与えられないのか、それは渡したちにはわからない。神のやり方は人のやり方とは違うのだ。

●12使徒レグランド・リチャードの言葉 Apostle LeGrand Richards 
ウォルターと言う人が、レグランドに、教会は神権を黒人に与えるつもりなのか?と質問してレグランドがどう答えたか、下の通りですが、要約すると、
 「ブラジルで神殿を建て、10月には奉献式が行われる。多くの信者がお金を出して建てた神殿だが、じつは彼らの多くが黒人の血を引いている為に、完成しても神殿の中に入れない。これはえらいこっちゃ、とキンボール大管長は思い、必死こいてお祈りしているわけだ。」

Walters: On this revelation, of the priesthood to the Negro, I've heard all kinds of stories: I've heard that Joseph Smith appeared; and then I heard another story that Spencer Kimball had had a concern about this for some time, and simply shared it with the apostles, and they decided that this was the right time to move in that direction. Are any of those stories true, or are they all?

[Apostle LeGrand] Richards: Well, the last one is pretty true, and I might tell you what provoked it in a way. Down in Brazil, there is so much Negro blood in the population there that it's hard to get leaders that don't have Negro blood in them. We just built a temple down there. It's going to be dedicated in October. All those people with Negro blood in them have been raising money to build that temple. If we don't change, then they can't even use it. Well, Brother Kimball worried about it, and he prayed a lot about it.

【Apostle LeGrand Richards in an interview with Wesley P. Walters and Chris Vlachos, August 16, 1978, Church Office Building, available online at: Link is here.】

●公式の宣言 1978年
これによって、黒人に神権が与えられることになった。
ブリガム・ヤングは、全ての人が復活した後じゃないと黒人に神権は与えられない、と言ったのにね!

●ブルース・R・マッコンキーの言葉
私ややブリガムヤング大管長や他の指導者たちが言ったことで、今の教えと矛盾する教えは全て忘れなさい。
私たちは制限された知識の範囲内で話していた。今の世の中でわかっている光や知識を私たちは知らなかった。
今私たちは、あふれるばかりの知識を得ているのだから、過去の暗い教えなど消し去ってしまうのである。今となっては過去の教えなど、全く意味がない。2008年
ブルース・R・マッコンキーin an address to CES employees entitled,
「all are alike」

●LDSのスポークスマン マーク・Tの言葉 2008年

この習慣は、今まで決して教会の原則として教えられたことはない。

「Mormon and Black」Grappling with a racist past  Salt Lake City July 7 2008


私の感想
2013年に教会は信者からくる山のような質問を無視することが出来ないと判断し、とうとう11のテーマにわたる、「福音のテーマの論文」をネットに載せました。
そこで黒人に神権が与えられなかったことも書いていますが、神がそう命令した、とは書いていません。
はくらかすような感じで、なるべく過去を隠そうとする態度が見られます。
2008年の声明では、完全にウソをついていますから、とてもガッカリです。マッコンキーさんのように開き直るか、ウソをつくか、隠そうとするのがいつものパターン。これがモルモンの問題点なのでしょう。