DV防止法:改正案が成立 脅迫行為で保護命令、対象も拡充
 


 配偶者の暴力から被害者を守る「ドメスティックバイオレンス(DV)防止法」の一部改正案が5日、衆院本会議で全会一致で可決、成立した。裁判所が出す接近禁止命令をはじめとする保護命令の対象に「生命・身体に対する脅迫行為」を加えるなど、保護命令制度を拡充したのが特徴だ。早ければ来年1月にも施行される見通し。

 改正内容は、裁判所は身体的な暴力を伴わなくても「生命・身体に対する脅迫行為」があれば保護命令を出せると明記。保護の対象を被害者の親、子供、支援者にも広げた。また、加害者に対し被害者、その親族への接近禁止を命じる場合、(1)「無言電話」や「連続しての電話、ファクス、メール」(2)汚物や動物の死がい、わいせつな文書・図画の送付--なども併せて禁止できる、としている。

 DV防止法は議員立法で01年に施行され、3年ごとの見直しを規定。今回、別居後も電話やメールで面会を強要されたり、実家への押しかけなどに悩む被害者が多いことが内閣府の調査で判明。自民、公明のプロジェクトチームが改正案をまとめ、上程した。【坂本高志】

毎日新聞 2007年7月5日 東京夕刊