医療と宗教
2007.07.05 Thursday
先月の記事ですが、よくあることなので・・・

妊婦が輸血拒否で死亡 「エホバの証人」信者

 大阪府高槻市の大阪医科大病院で5月初旬、妊婦が帝王切開の手術中に大量出血し、信仰上の理由で輸血を拒否し死亡したことが19日、分かった。女性は宗教団体「エホバの証人」の信者だった。
 同病院によると、女性とは事前に、輸血をしないとの同意書を交わしていた。女性は妊娠42週で帝王切開手術で子どもを出産後に大量出血。病院は止血措置だけで輸血はせず、女性は数日後に死亡した。
 エホバの証人の信者をめぐっては、手術中に無断で輸血したことの違法性を争った訴訟で、病院や医師の人格権侵害を認め損害賠償を命じた最高裁判決がある。
 また輸血を拒否して死亡する患者が相次いだため、各地の病院が「本人の意思を尊重する」などとする治療方針を策定。大阪医科大病院も2年前、意思確認のマニュアルを策定していた。
 病院は「女性には生死にかかわる危険があることも説明した。家族にも再三、輸血の同意を求めた。患者の意思を尊重した」と話している。院内に設置された事故調査委員会も「医療上の手順に問題はなかった」と判断している。
 エホバの証人の機関誌を作成している「ものみの塔聖書冊子協会」によると、信者は、聖書に「血を避ける」などの戒律があることから輸血を拒否。今回のケースについて「本人の意向を尊重した処置が施されたことに関しては妥当であったと考えます」とコメントした。

この記事のように、宗教団体によって輸血拒否ということはよくあることです。入院時の基礎情報用紙に「宗教」の欄がある病院もまだまだあるのではないでしょうか?

医療者側から考えると「それにこだわって命落としてもいいの?」と考えてしまいますが、どれだけ説明しても輸血はしてほしくないそうです。
手術の場合はもちろん、胃カメラの生検(粘膜を採取して顕微鏡で調べる検査)でも出血は考えられることです。約5mmくらいの傷で普通は放置で止血されます。止血処置が必要になる出血などは0.03~0.005%とも言われています。

どんなに確率は低くても0%ではないのです。

輸血しないと死ぬことがわかっていても、宗教の問題でできないのはちょっと複雑です・・・。

それでも守る事が本人の意思の尊重なんですよね。

管理人 * 医療系ニュースより * 19:21 *


ナース情報局(JAPAN別館)より