メディアと布教 | エホバの証人 新潟県元2世会衆 jw.org→jw.orz

エホバの証人 新潟県元2世会衆 jw.org→jw.orz

jw.orgにいた2世がjw.orzになり、やがてとあるプロテスタント教会のしがない牧師にと流れ着いたある男の徒然草。
新潟県のエホバの証人元2世の戦友が出会えるきっかけの場になればいいかなー

エホバの証人の布教手段は、大雑把に分類するならば文書伝道となる。
もちろん戸別訪問や街路伝道で誰かと会話するということはあるが、それは文書配布のためのものであるから、訪問伝道のカテゴリーに入れるのには難がある。

エホバの証人・ものみの塔が出現したのは19世紀後半のアメリカである。
当時は紙が唯一の情報媒体であったような時代であった上、現代のように情報過多ではなかったと思われることから、思想を宣伝するために雑誌などの印刷媒体を利用するのは幾らか有効であったことであろう。

しかし、時代が下っておよそ140年経った今、テレビやラジオ、インターネットなどと情報媒体が多様化し、情報の洪水・情報過多である中では、紙媒体による宣伝効果が薄れつつあることは否めない。
だいたい、譬えて言うならば、元旦の分厚い新聞を隅から隅まで読み、一緒に折り込まれている大量の新聞チラシを全部見ようとする気が起こるだろうか。それと同じである。
現代における宗教系のチラシは、元旦の大量の新聞折り込みチラシに紛れ込んでいるパチンコ屋のチラシみたいなものである。

さて、日本でインターネットが普及するようになって20年近く経った。
その前後から、教会や寺院などがホームページを開設するようになった。もちろん、目的は布教である。
インターネットは悪と扱っていた癖して、エホバの証人も遅れに遅れて公式サイトを開設している有様。

紙媒体での文書伝道に固執していたエホバの証人が、さんざんこき下ろしていたインターネットを使うようになった経緯は知らない。布教手段として有用であると判断して利用に舵を切ったことは予想できる。
しかし、エホバの証人のみならずサイトの内容云々は除外して、布教・宣伝媒体としてインターネットは宣伝効果が高いか、と言えばそうではないと私は思う。

その一番の理由は、
インターネットは閲覧者が当該サイトにアクセスしなければその情報に触れることができない、ということ。
その情報に触れるか触れないか、選択権を有しているのは閲覧者にあるのだ。余計な情報に触れるストレスはなくなるからそれは良いのであるけれども。
しかし、情報発信者サイドとしては、チラシのばら撒きやテレビやラジオのCM垂れ流しのように、浅く広く宣伝し、自ら発する情報を広く伝達することができないのである。

全世界に広がるネット網によって情報伝達範囲が全世界に広がることと宣伝媒体としての有用性は別なのである。
当たり前のことをわざわざ言うな、と怒られる話であるが。

大学の頃、マーケティング論の講義で口コミによる宣伝効果が高かった事例を勉強した記憶がある。詳しいことは全く忘れてしまっているが。
エホバの証人にしても、あちこちにあるキリスト教会にしても、口コミ宣伝効果は……ないな。
双方でそれぞれに起こった問題や不祥事の方が、口コミ情報を吹き飛ばすほど情報の威力が強いから。

キリスト教会の世界でもビラとかがあるが、宣伝効果や受領者の反応はエホバの証人の場合と大差ないことを最後に付言する。
エホバの証人よろしく、教会の人間も良かれと思ってビラなどを渡したりするものであるから、エホバの証人並みに質の悪い連中だと受け取った人は思っているに違いない。