東京都渋谷区は、10月から渋谷駅周辺の路上や公園での夜間の飲酒を禁止します。


ハロウィンの時期などに制限する条例はありましたが、今回は、通年の飲酒禁止となります。


訪日外国人(インバウンド)などのマナー悪化を重く見て、期間と対象エリアを広げます。


渋谷センター街に近い宇田川町は、渋谷駅周辺の繁華街でも、特に路上飲酒による騒音やゴミの被害が大きいエリアです。


今でも、渋谷区は警備会社に委託し、毎日午後8時~翌日午前5時までパトロールにあたっています。


海外出身の警備員も動員し、英語やスペイン語で呼びかけています。


渋谷区は2019年、ハロウィンの時期や年末年始に限って路上での飲酒を禁止する条例をつくりました。


改正条例が施行されると、午後6時~翌日午前5時まで、年間を通じて公共の場での飲酒が禁止となります。


対象エリアは、道玄坂や文化村通り沿いの繁華街など約1㌔㍍四方です。


都市部で大規模に飲酒を禁止する条例は、全国で初めてですが、罰則規定はありません。


渋谷区は、路上飲酒をしている人の数を目視で集計しています。


金~土曜日、祝前日の推移をみると、2023年6月には、1日あたり48.8人だった外国人が2024年6月には134人と2.7倍に増えています。


日本人の34.3人(24%増)と比べると、著しく増加しています。


背景には、外国人の間では、日本は飲酒のルールが緩いとの認識があるようです。


海外では、簡単に酒類が購入でき、そのまま屋外で飲むことのできる国は多くありません。


ニューヨークやシンガポールでは、公共の場所での飲酒は制限されています。


インバウンドにとって、日本はお酒天国です。


そのしわ寄せが、外国人に人気のある渋谷にきているようです。


今後は、規制強化が効果を発揮できるかが焦点となりますが、状況が改善しなければ、罰金など罰則規定の検討も考えられます。