日経新聞『私の履歴書』ではアートコーポレーション名誉会長寺田千代乃さんの話が続いています。
引っ越し業でありテレビCMの影響もありで身近な会社として興味深く読んでいます。
昨日はMBO(マネジメントバイアウト)の話でした。
かつて監査法人勤務時代にはIPO支援業にも関わっていたこともあり
会社、特に創業者にとってIPO(株式公開)がどんなものか分かる気がします。
投資回収、資金調達、事業承継などなど表向きの理由は多々あるでしょうが
根本的なところには達成欲求みたいなものがあるのではないかと思います。
その点についても履歴書で述べられています。
他方で上場後によく聞かれることが、上場維持コストの問題でしょう。
管理体制は整備されたが会社の活力、自由度が今一つといったようなもので
実際の費用と精神的なストレスといった物心両面でのコスト感です。
創業者にとっての想いを実現するための手段であったはずのIPO(上場)が
逆に妨げとなってくる危機感もあるようです。
上場会社(ユア・カンパニー)に成りきれなかったと言ってしまえばそれまでですが
会社経営としては上場も非上場もあって、どちらが正解ということではないです。
ただ、会社経営に関して、収益性、成長性、コンプライアンスといったことについて
厳しく求められるのが上場会社であるということなのでしょう。
その意味では、経営者としての大きなハードル、テストであるかもしれません。
これも上場した会社であるからこそ分かることかもしれませんが・・・・。
そして、非上場化を選択することも大きな戦略であります。
一般的には創業家により行われることになりますが金銭的な負担も大きいだけに
会社経営にかける想いの大きさは計り知れないものがあります。
創業経営者の生きざまはやはり濃いです、ドラマチックで面白いものですね。