連日、アメリカンフットボール日大選手の反則タックルが話題になっています。

巨漢選手同士がぶつかり合うスポーツだけにルール無用の行為は

危険極まりないものです。

 

関学大QBに対する違反タックル映像を見ると

プレー後の無防備の選手に後ろからぶつかっていっており

まさに、車で人を撥ねるのと同じようなもの。

 

違反行為を行った選手に責任があることは当然ですが、

問題は、そもそも監督の指示があったのではないかという点。

 

新聞取材によると日大の内田監督は学校の理事も務めており

言わば独裁者的存在であったとも。

周りのコーチも何も言えない状況が出来上がっていたのでしょう。

 

ちょうど、『日本軍兵士ーーアジア・太平洋の現実』(吉田裕 著)を

読んだところだったので、太平洋戦争当時の日本軍の状況と

かぶっていました。

 

上官の命令は絶対服従で違反は許されない。

精神注入の名のもと鉄拳制裁が日常的だったといいますから

一兵士に逆らう余地などなかったと思われます。

 

スポーツもある意味で戦いですから勝つためには

監督、コーチといった指揮者の指示は重要になります。

 

チームという一集団となるとその影響は大きいものでしょう。

それだけに、その立場にある人の人間性が出るとも言えます。

 

組織におけるトップにある人は、常に注意が必要だということでしょう。

第三者的には分かっていても、その状況、立場に長くいると、

その環境に馴染んでしまい見えなくなってしまうリスクが常にあるということです。

 

組織における統制環境が一番のリスク要因であることを改めて感じられる出来事です。